LINEらのフィンシア(FNSA)とカカオのクレイトン(KLAY)がブロックチェーン統合か、両ガバナンスで投票へ

フィンシアとクレイトンがブロックチェーン統合か

韓国カカオ(Kakao)開発のクレイトン(Klaytn)とフィンシア:FINSCHIA(旧LINEブロックチェーン)の両ブロックチェーンが新たなメインネットへと統合する計画が進められている。クレイトン財団(Klaytn Foundation)が1月16日発表している。

発表によるとクレイトン財団およびフィンシア財団(Finschia Foundation)は、両ブロックチェーンの統合に関する提案書をそれぞれのガバナンスメンバーに提出したとのこと。この統合を決める投票は、1月26日から2月2日の期間にて実施される予定とのことだ。

クレイトン財団はこの提案について、「EVM(イーサリアムバーチャルマシン)とCosmWasm(コズモワズム)の両方​​をサポートする技術的に優れたブロックチェーン」と「アジア最大のDApps(分散型アプリケーション)とユーザーのエコシステムの1つを備えた新しい業界リーダー」、この2つを生み出すことを目的としていると説明している。

またこの統合提案が通過した際に両財団は合併し、1つの組織になるという。それぞれのテクノロジー、サービス、およびカカオ・LINE、その他多くの戦略的パートナーを含むビジネスネットワークも統合するとしている。

またこれにより、420​​以上のDAppsとやり取りする2億5,000万人を超えるデジタルウォレットといった大規模なユーザーベースを持つアジア最大のWeb3エコシステムが構築されるともクレイトン財団は説明している。

また統合された新たなブロックチェーンは、EVMとCosmWasmの両方​​のサポートによりイーサリアム(Ethereum)とコスモス(Cosmos)の両方の開発者にアクセスできるようになり、それぞれの技術的利点を活用しながら、2つのエコシステム間の相互運用性が向上するとも述べられている。

さらにチェーンの統合により、2つのブロックチェーンのネイティブトークンであるKLAYとFNSAは、両トークンの合計額に基づいて発行される新しいネイティブトークンに置き換えられるという。なおKLAYとFNSAの保有者は、発行時に新しいネイティブトークンと交換できるようになるとのことだ。

この提案が両ブロックチェーンのガバナンス投票プロセスを通過した場合は、チェーンの統合を直ちに進める他、「機関投資家のアクセシビリティを高めるインフラ整備」や「DeFi(分散型金融)インフラの強化とネイティブステーブルコインの開始」、「日本の一流ゲーム会社とグローバルIPを活用したWeb3プロジェクトのオンボーディング」、「持続可能な価値創造に焦点を当てたトークノミクスの改善」等のビジネスイニシアチブが開始されとのこと。

クレイトン財団とフィンシア財団は「アジアを代表するIT企業であるカカオとLINEが始めたパブリックブロックチェーンの統合による多大な相乗効果を解き放つ第一歩を踏み出せることに興奮している」と発表にてコメントしている。

クレイトンは韓国カカオの子会社であるグラウンドX(Ground X)が2019年に開発したブロックチェーンである。クレイトンのガバナンスはカカオのグループ会社やLG、バイナンス(Binance)、ユニオンバンク(UnionBank)などの認可された企業が参加するクレイトン・ガバナンス・カウンシル(GC)が担っている。

また「フィンシア」は、LINE独自開発のプライベートチェーンとなる「LINE Blockchain」がリブランディングを行い、名称変更したブロックチェーンだ。現在運営元は、LINEのグループ会社LINE TECH PLUS(ラインテックプラス:LTP)から非営利団体であるフィンシア財団へ移行している。

なおフィンシア財団のガバナンスメンバーには、ソフトバンク(SoftBank)やLINEのグループ企業など14社が参加している。

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参考:クレイトン発表クレイトンGCフィンシアガバナンス
images:iStocks/pgraphis

この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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