元SECインターネット執行部責任者、「暗号資産プラットフォームから今すぐ撤退せよ」と警告

今後の規制強化に警鐘を鳴らす

米証券取引委員会(SEC)執行部の元弁護士で同機関インターネット執行部の元責任者であったジョン・リード・スターク(John Reed Stark)氏が、投資家に対し「暗号資産プラットフォームから今すぐ撤退せよ」と訴えている。同氏は自身のツイッターから6月8日発言した。

スターク氏はツイートにて、前提として自身が事態を100%客観的に俯瞰しており、独立した中立の立場であることを表明。そのうえで「私の考えでは、SECは暗号資産関連の取締りにおいて的確な判断を下していると思う」と主張。「暗号資産取引プラットフォームはハイリスクで危険なものであり、本質的に安全でないことは自明の理」とも述べている。

SECへの未登録が引き起こす問題

スターク氏によればSECへ登録された金融機関では、「投資家の資金や証券を利益相反なく適切に取り扱うことが義務付けられ」、「プラットフォームで取引される流動性が低く投機的な証券を購入する際のリスクを投資家に理解してもらい」、「取引される証券の最終価格を購入者に認識してもらい」、「取引方針、実務、手続きに関する適切な開示が提供されてという。

また同氏は、登録済みの金融機関においては、SECは金融会社の業務について無制限かつ瞬時に可視化することができるが、未登録の暗号資産取引プラットフォームでは、SECはあらゆる種類の監視とアクセスを欠き、不正行為を検出・調査・抑止する能力をほとんど持たないと指摘。

つまり未登録の暗号資産プラットフォームにおいてSECは、市場取引や清算活動、顧客の身元、その他のリスクや不正行為に関する重要なデータを分析または検証することができず、その結果、暗号資産市場はあまり監視されることなく、未登録の暗号資産プラットフォームが運営されているとスターク氏は指摘している。

顧客保護に関する「溝」を指摘

同氏は、SECに登録した金融機関と異なり、暗号資産取引所には、顧客保護の観点において「溝」があると指摘。

具体的には「業務や取引などに関して記録保持やアーカイブの要件がない」ことや、「操作、インサイダー取引、顧客の先回りした取引、顧客または従業員によるその他の不正行為を禁止する米国の法令および規則を遵守する理由がない」こと、「オンライン攻撃者に対抗し、顧客のプライバシーを保護するためのサイバーセキュリティの要件や基準を義務付けていないこと」や、「紛争や問題が発生した場合、料金を返還する義務を負わないこと、「取引の公正さ、執行、透明性を検査・精査する客観的な監査人・審査員からなる米国政府のチームがない」などを含む12項目を挙げている。

同氏は「SECへの登録は、投資家においては個人のリスクから守り、資本市場においてはグローバルなシステム的リスクから守るための重要な要件を定めている」とし、「この要件により、米国市場は世界で最も安全かつ堅牢で、活気ある望ましい市場の1つとなっている」と伝えている。

連日にわたるSECの提訴

同氏のツイートは、ここ数日のSECによる一連の提訴を受けてのこととみられる。

SECは6月5日、大手暗号資産取引所のバイナンス(Binance)と同社CEOのCZ氏およびバイナンスUSを提訴。その翌日には米大手暗号資産取引所のコインベース(Coinbase)を提訴している。

またSECのゲイリー・ゲンスラー(Gary Gensler)委員長は、6月6日に出演した米CNBCのビジネス番組「スクワーク・オン・ザ・ストリート(Squawk on the street)」の中で「これ以上のデジタル資産は必要ない」と発言。

さらにゲンスラー委員長は、「これらの取引プラットフォームは、自らを取引所と呼んでいるが、多くの機能を混同している」と指摘。「伝統的な金融では、ニューヨーク証券取引所がヘッジファンドを運営し、市場を形成しているのを見たことはない」とし、暗に暗号資産取引所を批判していた。

 

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デザイン:一本寿和
images:iStocks/ablokhin

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

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