米国と韓国、テラ創設者ド・クオンの身柄引き渡しを要求

身柄引き渡しを正式に要求

米国と韓国が、テラフォームラボ(Terraform Labs)の創業者ド・クオン(DoKwon)氏の身柄引き渡しを要求している。モンテネグロ当局が3月29日の記者会見で発表した。

その記者会見にてモンテネグロ法務大臣のアンドレイ・ミロヴィッチ(Andrej Milovic)氏は、ド・クオン(DoKwon)氏及び同氏の側近とされるホン・チャンジュン(Hon Chang Joon)氏の身柄引き渡しを韓国から公式に要求されたと述べ、米国からもクオン氏の引き渡し要求を受けていると明かした。

またコヴァチ氏は記者団からの質問に答える形で、シンガポールからはまだ正式な引き渡し要求を受けていないと述べ、もし他国からの要請があれば適宜報告すると伝えている。

クオン氏とチャンジュン氏は、3月23日のドバイ行きのフライトのパスポート審査で偽造パスポートを使用したとして、文書偽造の犯罪容疑で逮捕された。現地の裁判所にてこの罪が裁かれた後、両名の引き渡し手続きが行われる予定だ。

今回クオン氏は複数の国からの引き渡し要請を受けている。複数の引き渡し要請を受けた場合、どの国に引き渡されるかについては「犯した犯罪の重さ、犯罪が行われた場所と時間、引き渡し要請を受けた順番など、いくつかの要因に基づいて」裁判所が決定するという。

テラの騒動

ド・クオン(DoKwon)氏が立ち上げたテラフォームラボ(Terraform Labs)は、暗号資産(仮想通貨)「テラ:Terra(LUNA:ルナ)」とアルゴリズム担保型米ドルステーブルコイン「テラUSD:TerraUSD(UST)」を発行していた。

テラUSDは、法定通貨の価格に連動する「ステーブルコイン」としてかつては世界の暗号資産上位10位内に入っていたが、昨年5月に1USD=1USTのペッグが崩壊し暴落。USTやLUNAなどの暗号資産が無価値となり、世界の投資家の間で総額420億ドルの損失が発生したとの試算もあり、投資家らから詐欺で訴えられている。その後インターポールの手配リストにも掲載された。

昨年6月に韓国捜査当局がテラプロジェクトの関係者に出国禁止令を出し、同年9月には、韓国の裁判所がド・クオン氏を含む6人に逮捕状を発布していた。

ド・クオン氏とテラフォームラボは2月20日、米証券取引委員会(SEC)より証券詐欺指揮の罪で提訴されている。

関連ニュース

参考:記者会見
デザイン:一本寿和
images:iStocks/Thomasaf

この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

合わせて読みたい記事

【4/26話題】コンセンシスがETH規制でSECを提訴、米国政府マネーファンドがP2Pで転送可能になど

米コンセンシス、イーサリアム(ETH)規制めぐり米SECを提訴、フランクリン・テンプルトン、「米国政府マネーファンド」をP2Pで転送可能に、オーケーコインジャパンにオプティミズム(OP)上場へ、国内3例目、米決済ストライプ、「USDC支払い」今夏から導入へ、Fireblocks、機関向けのDeFiセキュリティ機能を拡張、アーサーヘイズ、ビットコインの強気相場続くと予想、コスモス「IBC」でトークン無限発行のバグ修正、アシメトリックリサーチ報告、ビットコインの改善提案「BIP420」公開、スマコン追加やゼロ知識証明など実装に向け、エルサルバドル、公式デジタルウォレット「Chivo」のソースコード流出、米SEC、テラフォームラボと創業者に約53億ドルの支払い命じる