米SECがロビンフッドへ召喚状、顧客資産保管など調査へ

ロビンフッドがSECから召喚状を受け取る

米投資アプリ運営のロビンフッド(Robinhood)が、米証券取引員会(SEC)より召喚状を受け取っていたことが、ロビンフッド・マーケッツ(Robinhood Markets, Inc.)が2月27日に公開した「Form 10-k(フォームテンケー)」によって明らかとなった。

SECからの召喚は、ロビンフッドの「暗号資産の上場、暗号資産の保管、顧客の開示、プラットフォームの運用」に関する調査のためだという。

なお「Form 10-k」は、米SECへの提出が義務付けられている企業活動の年次報告書。日本でいう有価証券報告書に相当する。

今回公開されたロビンフッドの「Form 10-k」によれば、同社が召喚状を受け取ったのは昨年12月とのこと。これは昨年11月に起きた大手暗号資産(仮想通貨)取引所FTXの破綻以降相次いだ、暗号資産関連企業倒産の影響とみられる。

もしロビンフッドへの調査によってSECや裁判所が、ロビンフッドでサポートしている暗号資産を有価証券と見なした場合、ロビンフッドはそれら暗号資産の取引を継続して行えなくなる可能性があるという。

またロビンフッドは、カリフォルニア州司法長官室からも「取引プラットフォーム、事業と運営、顧客資産の保管、顧客開示、および暗号資産のリスト」に関する情報を求める召喚状を受け取ったと「Form 10-k」で明かしており、ロビンフッドはこの調査に協力していると述べている。

昨年11月に起きたFTXの経営破綻以降、SECからの業界に対する取締は強化している。

SECは2月、暗号資産取引所クラーケン(Kraken)が提供する暗号資産ステーキングサービスに対して、証券登録せずサービス提供・販売したとして告発していたと発表。クラーケンは暗号資産ステーキングサービスおよびステーキングプログラムの提供・販売を直ちに停止すること発表した。また同社は3,000万ドル(約39億円)の遺棄金、予断利息、民事罰の支払いに合意していた。

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参考:ロビンフッド 
デザイン:一本寿和

images:iStocks/AndreyPopov・sumkinna

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髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

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同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
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