欧州投資銀行、ポンド建てデジタル債券発行へ

EIB、ポンド建てデジタル債券発行へ

欧州投資銀行(EIB)が、トークン化プラットフォーム「HSBC Orion」を通じて5,000万ポンドのデジタル債券の発行予定を1月31日に明かした。このデジタル債券は2月2日に発行される予定で、満期日が2025年2月末日で変動金利となっている。

今回の債券は「HSBC Orion」で、プライベートおよびパブリックブロックチェーンを組み合わせてトークン化されるという。 またこの債券発行のアーキテクチャはBNP Paribas、HSBC、RBC Capital Markets の間で分散されており、HSBCが中央口座管理者として、「HSBC Orion」上でデジタル債券の取引を記録しているという。

またルクセンブルクのBNPパリバ・セキュリティーズ・サービスとRBC Capital Marketsは、それぞれの顧客のカストディ業務を担うとのこと。

そしてデジタル債券発行のコンプライアンスに関しては、ルクセンブルクの法律に準拠するとのことだ。

EIBの副総裁であるリカルド・モウリーニョ・フェリクス(Ricardo Mourinho Felix)氏は「EUの公共政策銀行としてのEIBの役割は、通常の銀行としての役割を超えています。15年前に最初のグリーンボンドの発行で実証されたように、私たちは革新的で破壊的な解決策を推進します。今こそ、金融分野におけるさらなるイノベーションが必要であり、私たちは、カウンターパートの支援を受けて、プライベートおよびパブリックブロックチェーン上でポンド建て初のデジタル債券を発行することを嬉しく思います。この新しい金融ツールは、EIBがグローバルなインパクトを持つプロジェクトに投資する追加的な資本フローを提供することになるでしょう」とコメントしている。

BNPパリバのベンジャミン・ドゥ・フォートン(Benjamin de Forton)氏は「ユーロ建て取引の成功に続き、EIBは今回、世界初のポンド建てデジタル債券を発売します。この債券は、安全性と効率性を高めるプライベート台帳でのトークン化と、透明性を高めるパブリック台帳での情報開示の可能性を検証するものです。私たちは、EIBのパートナーとして、資本市場におけるトークン化の利用法を探求できることを光栄に思っています」とコメントしている。

参考:EIB
images:iStocks/SergZSV・Lidiia-Moor
デザイン:一本寿和

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竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

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