米連邦準備制度理事会、暗号資産カストディ企業Custodiaの加盟申請を却下

FRB、暗号資産カストディ企業の申請却下

米国連邦準備制度理事会(FRB)は、法人向けに暗号資産(仮想通貨)に特化したカストディサービスなどを提供するカストディアバンク(Custodia Bank)の連邦準備制度への加盟申請を1月28日に却下した。

またFRBはカストディアバンクの提案するビジネスモデルと暗号資産への注力は、金融の安全性と健全性に大きなリスクをもたらすとも伝えた。

ワイオミング州に本拠を置き州を通じて特別目的預金機関として認可されているカストディアバンクに対して、FRBは「暗号資産がマネーロンダリングやテロ資金調達活動に利用される可能性を含め、暗号資産に関連する高まったリスクに対処する十分なリスク管理の枠組みを欠いている」と伝えている。

カストディアバンクのCEOケイトリン・ロング(Caitlin Long)氏は、声明の中で「FRBの決定に驚き、失望した。カストディアバンクは積極的に連邦政府の規制を求め、従来の銀行に適用されるすべての要件を上回っている」と伝えた。

FRBの対応とは別件で、カストディアバンクはカンザスシティ連邦準備銀行を提訴しており「企業が連邦準備銀行の決済サービスにアクセスできるようにする、非常に人気のあるマスターアカウントへのカストディアバンクの申請に関する決定を不当に遅らせた」と主張している。

またFRBはカストディアバンクの申請却下に伴い政策声明を発表し、米国の中央銀行が監督する銀行は預金保険の有無にかかわらず、暗号資産に関する活動なども既存と同様の制限に従うべきという方針を明確にした。

FRBは「州の加盟銀行の暗号資産の保管業務が、安全かつ健全な方法で、消費者法、マネーロンダリング防止法、テロ資金調達防止法を遵守した形で行われるのであれば、今日のカストディアバンクへの措置のように禁止するわけではない」と伝えている。

※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。 
(Reporting by Hannah Lang in Washington; editing by Jonathan Oatis)
images:Reuters

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

合わせて読みたい記事

【4/19話題】アプトスラボが金融機関向けプラットフォーム「Aptos Ascend」構築へ、バイナンスが違約金支払いインド再参入かなど

アプトスラボ、マイクロソフト・SKテレコム・ボスコンらと提携。金融機関向けプラットフォーム「Aptos Ascend」構築へ、バイナンス、約3億円の違約金を支払いインド再参入か=報道、バイナンスがドバイでVASPライセンス取得、個人投資家にもサービス提供可能に、バイナンス、トークンローンチプラットフォーム「Megadrop」公開。「BounceBit(BB)」取扱へ、イーサリアムのモバイルOS開発「ethOS」、web3スマホ「ethOS phone」発売開始、米クラーケン、独自開発のセルフカストディウォレット「Kraken Wallet」リリース、OKX、レイヤー2ブロックチェーン「X Layer」ローンチ