暗号資産メディア「The Block」CEO辞任、FTX元CEOサムのアラメダからの融資開示せず

「The Block」のCEO辞任、アラメダからの融資非開示

暗号資産(仮想通貨)専門メディア「The Block」の最高経営責任者(CEO)マイケル・マカフリー(Michael McCaffrey)が、元FTXCEOのサム・バンクマン・フリード(Sam Bankman-Fried:SBF)氏の投資企業アラメダリサーチ(Alameda Research)からの一連の融資を公表せず、CEOを辞任した。「The Block」が12月9日に発表した。

マカフリー氏はCEOを退任するとともに、同社の取締役会からも退任する予定とのことだ。ただ依然マカフリー氏は同社の大株主のままである。

なお「The Block」の最高収益責任者(CRO/Chief Revenue Officer)ボビー・モラン(Bobby Moran)氏が、直ちにCEOの職務に就く予定となった。

マカフリー氏はアラメダから合計3回の融資を受けていたという。1回目は1,200万ドルの融資で、2021年に暗号資産関連のニュース、データ、リサーチプロバイダーなどの投資家を買収するために使っていたとのことだ。

また今年1月には1,500万ドルの融資を受け、日常業務の資金として使わたとのこと。

最後に、今年前半の融資1,600万ドルはバハマにある個人の不動産の購入に使われたとのことだ。

「The Block」のモラン氏は今回の件について、「このニュースはThe Blockチームに衝撃と失望を与えました。マイケルがSBFから融資を受けその情報を開示しないという決断をしたことは、重大な判断の欠如を示すものです。これはThe Blockの評判と信頼、特に記者と研究者の評判と信頼、そして業界をリードする透明性への努力を損なうものです」と伝えている。

ちなみに「The Block」では、マカフリー氏以外にアラメダリサーチとの融資取引について知っている人はいなかったとのことだ。

そしてマカフリー氏がニュースルームや調査チーム、特にSBF、FTXおよびアラメダリサーチの報道に不適切な影響を与えようとした形跡は見当たらないという。


参考:The Block
images:iStocks/Rawpixel・putilich
デザイン:一本寿和

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

合わせて読みたい記事

スーパーステートがトークン化株式の直接発行プログラム公開、ソラナとイーサリアムに対応

金融テクノロジー企業のスーパーステート(Superstate)は、イーサリアム(Ethereum)とソラナ(Solana)のブロックチェーン上でトークン化された株式を、米SEC(証券取引委員会)登録の公開企業(上場企業を含む)が直接発行できる新プログラム「ダイレクト・イシュアンス・プログラム(Direct Issuance Programs)」を12月10日に発表した