英規制当局、高リスク金融商品広告の規制強化

英規制当局、高リスク金融商品広告の規制強化

英国の金融監視機関は、P2Pレンディングや、破綻して政府が投資家を救済することになった投資会社ロンドン・キャピタル&ファイナンス(LCF)が販売したミニ社債などのような、高リスク商品の広告に関するより厳しい規則を8月1日に最終決定した。

金融行動監視機構(FCA)は、マーケティング資料を承認・発行する企業は「適切な専門知識」を持ち、顧客が関連するリスクを理解しているかどうか、より良いチェックを行う必要があると述べている。

FCAは声明の中で「企業はまた、より明確で目立つリスク警告を用いる必要があり、友人紹介ボーナスなどの特定の投資誘因は現在禁止されている」と伝え、新規顧客を紹介した顧客に対するインセンティブに言及した。

FCAはリスクが高い金融商品の販売をより困難にしたいと考えており、これには他の種類の投機的な非流動証券、非上場の株式や債券、クラウドファンディング、規制されていない集団投資スキームも含まれている。

またFCAはリリースで「リスクの高い金融商品に投資する人の相当数が、お金を失うことを投資のリスクと捉えず、そのリスクを理解しないまま投資していることを懸念している」と述べている。

リスクが高い金融商品への投資は、2019年にLCFが破綻し、ミニ社債の投資家11,600人が最大2億3,700万ポンド(約379億円)の損失を抱えたことで注目された。

報告書によると、FCAはLCFを適切に監督することができず、より独断的な監視機関になるための改革を行うきっかけとなったとしている。

なお先週FCAは企業に対してより厳しい消費者義務を課し、不正販売を取り締まると発表した。ちなみにFCAによると、6ヶ月間にわたって展開される新しい規則は、従来の金融領域に対する法律が承認されるまでは、暗号資産には適用されないという。

FCAとイングランド銀行は、暗号資産への投資家は1円でも多く失う覚悟が必要であると、繰り返し警告している。

FCAの市場担当執行役員サラ・プリチャード(Sarah Pritchard)氏は、「正しいリスク警告が含まれていない、あるいは不明瞭、不公平、誤解を招くような商品が販売されているのを見た場合、私たちは行動します」と発言している。

また同監督局は、長期資産ファンドに投資できる個人投資家の範囲を拡大するためのパブリックコンサルテーションも開始している。

※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。
Reporting by Huw Jones
翻訳:竹田匡宏(あたらしい経済)
images:Reuters

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

合わせて読みたい記事

【10/11話題】メタプラネットが今月3度目のビットコイン購入、ユニスワップがイーサL2「Unichain」ローンチへなど(音声ニュース)

メタプラネットが今月3度目のビットコイン購入、10億円相当追加で合計保有数748.502BTCに、ユニスワップがイーサL2「Unichain」ローンチへ、OPスタック採用、米SEC、カンバーランドDRWを無登録で暗号資産取引を行ったとして提訴、ユービーアイソフト、初のweb3ゲーム今月リリースへ。オアシス(OAS)のL2採用で、タイ、投資信託やプライベートファンドによる暗号資産関連商品への投資規制緩和へ、米決済ストライプが「Pay with Crypto」提供開始、、USDCとUSDPで支払い可能に、バビロン、ステーキング上限撤廃で約14億ドル相当のビットコイン集める

米決済ストライプが「Pay with Crypto」提供開始、USDCとUSDPで支払い可能に

決済インフラ提供の米ストライプ(Stripe)が、米ドルステーブルコイン「USDC」を決済通貨として利用できる暗号資産(仮想通貨)決済機能「ペイウィズクリプト(Pay with Crypto)」を提供開始した。「USDC」を発行する米サークル(Circle Internet Financial)の共同創業者兼CEOジェレミー・アレール(Jeremy Allaire)氏が公式Xにて10月10日発表した