滋賀県がカヤック「まちのコイン」導入、地域活性化目的に

滋賀県が「まちのコイン」導入

カヤックが提供するコミュニティ通貨(電子地域通貨)サービス「まちのコイン」および移住スカウトサービス「SMOUT(スマウト)」が、滋賀県に導入されることが分かった。地域の魅力発信・関係人口の拡大と地域コミュニティの維持・活性化を図ることが目的とのこと。

カヤックと滋賀県は5月9日、「多様な人がつながり、活躍できるローカルDXの実現に向けた協定」を締結。カヤックのもつ上記デジタル技術を活用し、全国から各分野で活躍する人と滋賀県との関係性を深化させ、地域交流やまちづくりへの参加を促すことで地域活性化と持続可能な地域運営を目指すとのことだ。

滋賀県ではコロナ禍による地方での暮らしへの関心が高まり注目を得る一方で、過疎地域の追加や少子高齢化、事業継承者をはじめとした地域づくりの担い手不足拡大といった課題があるという。

このような地域課題に対し滋賀県は、地域づくりへの主体的な参画やイベントなど地域交流に参加する全国の「関係人口」を呼び込むため、官民が連携したデジタル戦略が必要と考えカヤックとパートナーシップを組むことになったとのこと。なお関係人口とは、移住や観光ではなく地域と多様に関わる人の数のことである。

今回「まちのコイン」を滋賀県内に導入することで、地域ごとの価値や可能性を掘り起こし、お金で買えない「つかう」「あげる」体験を提供し、コインを媒介に、地域を訪れる、巡る人を増加させ、地域内外の人が楽しみながらつながりを深めることで、「まちのにぎわいづくり」を目指すとのことだ。

また滋賀県の全国への効果的な発信に向けて「SMOUT」を滋賀県及び県内13市町に導入することで、これまで県や各市町、民間業者が各自のプラットフォームで発信していた地域情報やユーザーの情報を「SMOUT」のデータベースに一元化し、可視化するという。

登録者と地域が双方向にコミュニケーションがとれる「SMOUT」により、滋賀県との「かかわりづくり」を進めることで、県内の地域課題などに対する人材をマッチングするとのことだ。

なお「SMOUT」を導入する市町は、大津市、彦根市、長浜市、近江八幡市、甲賀市、湖南市、高島市、東近江市、米原市、日野町、愛荘町、甲良町、多賀町である。

さらにカヤックは、地域の実情把握とデジタル技術の活用に秀でたエリアコーディネーターを滋賀県内の事業者と連携することで配置し、「SMOUT」と「まちのコイン」を効果的に運営するための支援も行うとのことだ。

「まちのコイン」とは

「まちのコイン」はカヤックが提供するブロックチェーン(分散台帳技術)を活用し、ユーザーがQRコードを用いてポイントを獲得・利用できるコミュニティ通貨サービスだ。各地域で設定したテーマに基づいた体験(コミュニティ内での新たな繋がりなど)をコミュニティ通貨で利用・獲得できるように設計されている。

このサービスは2019年9月に神奈川県「SDGsつながりポイント事業」で採択され、2022年4月末現在では神奈川県小田原市・鎌倉市・厚木市・日吉エリア、たまプラーザ地区、東京都下北沢エリア、秋葉原エリア、長野県上田市、大阪府八尾市、香川県多度津町、高知県高知市、岡山県新庄村、鳥取県智頭町、福岡県八女市、沖縄県石垣市の15地域で導入されている。

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参考:カヤック
デザイン:一本寿和

images:iStocks/Kateryna-Bereziuk

この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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