web3エンタメで「世界No.1」を目指す、GameFi企業DEAの取り組み

設楽悠介

Sponsored

シンガポールを拠点にグローバルでGameFiプラットフォーム事業を展開する「Digital Entertainment Asset Pte. Ltd. (DEA)」が、事業戦略発表会を4月27日に開催した。

DEAは東証マザーズ上場企業の株式会社イオレ取締役会長を務める吉田直人氏と元テレビ東京の番組プロデューサーの山田耕三氏が創業者兼CEOの企業。これまで同社は「Play to Earn」をコンセプトとするGameFiプラットフォーム「PlayMining」を立ち上げており、トレーディングカードバトルゲームの『JobTribes』や、コインプッシャーゲームの『Lucky Farmer』などをリリース。

さらに同社はNFTマーケットプレイス「PlayMining NFT」、「BNB Chain」上のNFTマーケットプレイス「PlayMining NFT Premier」も提供している。また「PlayMining」上で使用されるユーティリティトークンのディープコインは、今年1月より国内暗号資産(仮想通貨)取引所ビットポイント(BITPOINT)でも取り扱いが開始している。

この記事ではそんなDEAの、日本で初めて開催された事業戦略発表会の様子をレポートでお届けする。

日本のコンテンツやクリエイターをどんどん世界に

発表会の冒頭で同社共同創業者でCEOの吉田直人氏がシンガポールからビデオメッセージを寄せた。

ビデオメッセージを寄せた吉田直人氏

吉田氏はDEAをシンガポールで設立した経緯として「トークンを発行してゲームで遊べる、そんな時代を作りたいと思っていたが、なかなか日本でトークンを発行するゲームを作ることに法律、会計、税金の問題がはっきりしなかったため」と話した。

また同社の実績については「今期の半期決算で4,200万SGD(シンガポールドル/約39億円)の売上、利益で2,600万SGD(約24億円)という数字を達成できた」と話し、世界のweb3全体のマーケットサイズが今年6兆円、またメタバースについては900兆円を超えると予想されている中で、さらに売り上げを伸ばす意欲を示した。

そして前述の通りシンガポールから起業することになったが、それが世界に目を向けることに繋がったとし「日本のコンテンツ、それから日本のクリエイターさんもどんどん世界に出していきたい」と語った。

吉田氏はこれまでにも同社は通算で、日本の漫画家らクリエイターに約6億円のロイヤリティーを還元してきたことを明かし、「これからももっともっとたくさんのロイヤリティを日本のクリエイターさんにお支払いして、さらに日本のゲームプレイヤーの方にもPlay to Earn、GameFiを体験していただいて、新しい未来を感じていただきたい」と話した。

日本の成長戦略がweb3にある(⼭下たかし衆議院議員)

続いて特別ゲストとして、元法務大臣の⼭下たかし衆議院議員(自由民主党)が発表会に登壇した。

山下議員はweb3を政府として推進していく理由をして「日本の成長戦略がここにあるから。その中には例えばNFTも、メタバースもあるだろう。それが世界中で始まっている。これこそ私は岸田政権の掲げる”新しい資本主義”だと思っており、web3戦略も日本としてもしっかりやっていかなければならない」と語った。

衆議院議員 山下たかし議員

また山下議員は「そういう想いで、平井卓也デジタル大臣と一緒にNFTのプロジェクトチームを立ち上げ、NFT戦略について、初めて自民党として「NFTホワイトペーパー(案) ~ Web3.0時代を見据えたわが国のNFT戦略 ~」をとりまとめました。このNFT分野には様々な規制がある。刑法であったり、民法、あるいは金融商品取引法である様々なものがある。そういう意味では、残念ながらDEAさんは先程吉田さんがおっしゃたようにシンガポールで設立された。でもこういった会社を日本でどんどん設立してもらえるように、我々は国家戦略としてやっていきたいと思っている」

そして「そのためには、DEAのような素晴らしい会社が、web3に成功し、まさに皆さんを日本に戻そうじゃないか、あるいはこれからDEAのような会社を目指す若者たちが、日本で起業してもらおうじゃないか、そういうことを我々はやっていかなければいけないし、法務大臣の経験を活かしながら、しっかりと応援をさせていただきたい」と話した。

左:山田耕三氏、中央:衆議院議員 山下たかし議員、右:桐生慎也氏

「GameFi」1.0から2.0へ

続いて同社共同創業者でCo-CEOの⼭⽥耕三氏が事業紹介を行なった。山田氏はDEAの「PlayMining」はサービスインして約2年で世界で100カ国以上の240万人ユーザーを抱える、世界の「GameFi」をリードする存在だと説明した。

⼭⽥耕三氏

そして同社の事業の目的として「誰もが未体験のweb3エンタメを実現すること、世界中の人々に体験していただくこと。そしてGameFiがフィンテックを内包していることで、ESGやSDGsを持続可能に我々の事業内容に含めた形で実現していくことを目指す」と語った。

またスカイメイビスのアクシーインフィニティや、自分たちのDEAの「PlayMining」は、現段階では利回りや資産運用の点にほぼ軸足を置いたプロダクトである、GameFi1.0だと定義。そして「この後やってくるのが、GameFi2.0。日本を含めた世界の大手ゲーム会社が、この領域で参入することを既に発表している。GameFi1.0のフィンテックというよりは、ゲームコンテンツと体験に軸足を置いた世界が来る。ゲームのフィンテック化を目指す、そのGameFi2.0の世界を我々は強力にリードしていきたい」と意気込みを語った。

フィリピンのユーザーからの感謝の声

また発表会で実際の「PlayMining」のゲーム『JobTribes』のスカラー制度を活用したフィリピンのGraceさんからの感謝のコメントも紹介された。

なおスカラー制度とは、ゲーム内で活用できるNFTを所持したプレイヤーが、スカラー(支援を受けてゲームするプレイヤー)に対してNFTを貸し出し、そのスカラーが稼いだお金を配分する仕組みのこと。これによって初期費用がないユーザーも「Play to Earn」を実現できる。『JobTribes』でもこのスカラー機能が導入されている。

Graceさんの夫は現在喘息のため無職だが、ギルドのスカラーとなることでお金を稼ぐことができたという。Graceさんは「JobTribeで稼いだお金で、コロナ禍の息子のオンライン授業のためのモニターが買えた。以前は夫婦とも高卒で子供の学費に苦労しており、子供にものを与えることができていなかった。ゲームのおかげで子供に夢を与えることができるようになったことが感動的です」メッセージを寄せた。

Graceさんと息子さん

このメッセージについて山田氏は「これはフィリピンの方がお金をもらえてよかったね、というだけの話ではない。重要なのは与えられたわけでなく、彼ら自身がゲームで稼げたということ、そして彼らにNFTを貸しているゲームユーザーがいること。このコメントはそのユーザーに届いたもの。NFTを貸したユーザーはゲームを通じて感謝の言葉をもらってどんな気持ちになるか? それこそがweb3エンターテーメントとして僕らが実現しようとしている世界です」と解説した。

さらに山田氏は「これはソーシャルインパクト。我々はこの仕組みを使って持続可能的に世界に対して良いことをする、ゲームに夢中になることによって、自分でも世界を救えるんだという体験をユーザーに与えたい」と熱く語った。

不登校や引きこもりの生徒への社会との接点

また発表会の後半、NPO法⼈「⾼卒⽀援会」の理事⻑ ⽵村聡志氏がDEAとのパートナーシップについても紹介した。「⾼卒⽀援会」は高校生の高卒資格取得を支援する団体で、すでにDEAの「PlayMining」を活用しているという。

NPO法⼈「⾼卒⽀援会」の理事⻑ ⽵村聡志氏

竹村氏は「生徒と私自身もNFTを使ってプレーを毎日して、本当に10分ほどでお金が稼げるということを経験し新たしい視野が広がった。コロナ禍で高校生の就労機会が減ってきている中で、Play to Earnは子供たちに取って魅力的なコンテンツだと思っている。不登校や引きこもりの生徒は、自己肯定感が低く自信を失っていて、社会と接点が非常に少ない。そんな中で、遊んで稼げるというコンテンツは小さな自信にもなり、社会に接するとても大事な機会の一つになっている」と語った。

事業戦略や今後

その他発表会では、COO桐生慎也氏がプロジェクトメンバーや資金調達の実績の紹介。またPlayMining事業部統括 鶴岡洋志氏が⽇本での事業展開についてプレゼンテーションを実施。エコシステムプロモーション部統括 ⼩野暢思氏、インターナショナルマーケティングディレクター寺⽥元⼦氏、エコシステムプロモーション部カスタマーサポート⻄村ミホ氏らが、Play to Earnの最新動向と具体的事例について説明した。

写真左から、 ⼩野暢思氏、 寺⽥元⼦氏、桐生慎也氏、 ⼭⽥耕三氏、 ⻄村ミホ氏、 鶴岡洋志氏

それらの説明でDEAは大きく分けて、暗号資産、NFTマーケットプレイス、NFTゲームの3つの事業があり、この3つを全て束ねて提供しているプラットフォームが『PlayMining』であるとの説明がされた。

暗号資産であるDEAPcoin(DEP)は、「PlayMining」上でNFTを購入するために使用する独自トークンで、2022年1月26日に、日本の暗号資産取引所BITPOINTでの取り扱いが開始された。BITPOINTへのDEP入金機能が実装され次第、日本のユーザーへ本格的に訴求を⾏い、DEP利用ユーザー拡大を図る予定とのこと。

またNFTマーケットプレイス事業として「PlayMining NFT」を紹介。これはゲームで活用できるNFTの売買ができるプラットフォームだ。DEPの国内取引所上場を機に、日本の有名IPとのNFTのコラボレーションを立て続けに実現していくとのことで、5月に漫画家の柴田亜美先生の『南国少年パプワくん』『ジバクくん』、6月には、うめ先生の『大東京トイボックス』とのコラボレーションを実施することも発表された。

そしてNFTゲームの提供の事業では、「PlayMining」はGameFiプラットフォームとして、様々なゲームタイトルを提供していくとのこと、これらは全て「Play to Earnゲームで、ユーザーはゲームプレイを楽しみながら暗号資産DEPを稼ぐことができるという。

「PlayMining」第1弾となる、職業をテーマにしたNFTカードバトルゲーム『JobTribes』に加え、本年度中にマルチタスク料理ゲーム『Cookin’ Burger 』、「ぬりえ×レース」ゲーム『Graffiti Racer』など新規3タイトルをローンチ、2023年にはさらに10タイトルを追加し、日本におけるNFTゲームプラットフォームNo.1を目指すとのことだ。

また、新規事業として、メタバース事業「PlayMining Verse」を今春より開始したことも発表。この事業は、クリエイターとユーザーが一緒にコンテンツを発展・進化させていくプロジェクトで、このプロジェクトからマンガ・ゲームなどの様々なコンテンツを創出していく予定だという。第1弾のコンテンツは、『ドラゴンクエスト列伝ロトの紋章』の藤原カムイ先生の 「Fujiwara Kamui Verse」で、この発表会当日からランドNFTの販売も開始した。

今後の事業拡大についてはDEAは「Web3市場においてエンターテイメント事業を確立した日本の企業はまだないとの考えのもと、『NFTゲームタイトルの充実』『日本におけるDEPのホルダー数拡大』に加えて、『マルチチェーン対応』を強力に推進していきます」と語った。

発表会の動画はこちら

DEA事業戦略発表会の様子は、公式YouTubeチャンネル 「PlayMiningTV」よりご視聴いただけます(29分頃から開始されます)。

関連リンク

→DEA公式サイト

→トレーディングカードバトルゲーム「JobTribes」

→農場がモチーフのコインプッシャーゲーム PlayMining Dozer 「Lucky Farmer」

 

取材/記事:設楽悠介(あたらしい経済)

この記事の著者・インタビューイ

設楽悠介

「あたらしい経済」編集長/幻冬舎コンテンツビジネス局局長
幻冬舎でブロックチェーン/暗号資産専門メディア「あたらしい経済」を創刊。同社コンテンツビジネス局で編集や電子書籍事業、新規事業を担当。幻冬舎コミックスの取締役を兼務。「Fukuoka Blockchain Alliance」のボードメンバー。テレビ番組「スポットライト」(RKB)、ラジオ「テンカイズ」(TBS)にレギュラー出演。「みんなのメンタールーム(Amazon audible)」「風呂敷畳み人ラジオ(Voicy)」「あたらしい経済ニュース」等のポッドキャストも配信。著書に『畳み人という選択』(プレジデント社)。

「あたらしい経済」編集長/幻冬舎コンテンツビジネス局局長
幻冬舎でブロックチェーン/暗号資産専門メディア「あたらしい経済」を創刊。同社コンテンツビジネス局で編集や電子書籍事業、新規事業を担当。幻冬舎コミックスの取締役を兼務。「Fukuoka Blockchain Alliance」のボードメンバー。テレビ番組「スポットライト」(RKB)、ラジオ「テンカイズ」(TBS)にレギュラー出演。「みんなのメンタールーム(Amazon audible)」「風呂敷畳み人ラジオ(Voicy)」「あたらしい経済ニュース」等のポッドキャストも配信。著書に『畳み人という選択』(プレジデント社)。

合わせて読みたい記事