「ステーブルコイン発行は銀行に限定すべきでない」FRB理事が持論

「ステーブルコイン発行は銀行に限定すべきでない」FRB理事が持論

米連邦準備制度理事会(FRB)のクリストファー・ウォラー理事が「ステーブルコインが安全な決済手段であることを保証するためには、より強力な規制・監督の枠組みが必要だが、必ずしも銀行と同じ規則のすべてに従うべきではない」と11月17日発言した。

ウォラー氏はクリーブランド連銀が主催したバーチャル会議で「決済用ステーブルコインの規制・監督の枠組みは、これらの取り決めがもたらす特定のリスクに、直接的かつ完全に、そして狭義に対処すべきである」と述べた。

さらにウォラー氏は「ステーブルコインに関する規制は、必ずしも、決済ではなく融資活動を一部対象とした銀行法施行規則を全面的に課すことを意味するものではありません」と述べた。

ステーブルコインとは、米ドルやコモディティなどの伝統的な資産に価値を連動し、価格を通常の暗号資産より安定させることを目的とした暗号資産のことで、今急速に成長している市場のひとつ。

ステーブルコインは、ビットコインのような他の暗号資産よりも、主流の決済手段として利用される可能性が高いと予想するアナリストもいる。

ある政策担当者は、今月初めに発表された「金融市場に関する大統領ワーキンググループ」の報告書の中で、ステーブルコインの発行者を銀行のように規制するよう議会に求めた提言の一部に同意していないと伝えている。

またウォラー氏は「銀行が銀行預金とステーブルコインの両方を発行できるようになることには賛成だが、銀行だけがステーブルコインを発行できるようになることには反対だ」と述べた。

さらに同氏は、決済分野ではすでに「現実的で急速なイノベーション」が起きているため、中央銀行デジタル通貨(CBDC)の必要性には、まだ懐疑的であると付け加えている。

米国の中央銀行は、デジタルドルを発行すべきかどうかを検討しており、近いうちにこのテーマに関する調査結果を発表する予定だ。

しかしウォラー氏は、政府が決済コストを下げるためにCBDCを作るべきではないと考えているようだ。

 (Reporting by Jonnelle Marte; Editing by Andrea Ricci)翻訳:竹田匡宏(あたらしい経済)
※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。
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この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
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