ソフトバンクら、メタバースNFTゲーム企業「The Sandbox」に約105億円出資

ソフトバンクら、「The Sandbox」に約105億円出資

香港を拠点とし、NFTを活用したメタバース(仮想現実)・ゲームプラットフォーム「The Sandbox(サンドボックス)」が、ソフトバンクの「Vision Fund 2」を中心とした投資家から約105億円(9,300万ドル)を調達したと「The Sandbox」が月曜日にロイターに明かした。

今回の資金調達は、前回のラウンドから1年余りが経過し、月間アクティブユーザー数が急速に増加し、プラットフォーム上での取引量が1億4400万ドルを超えたことを受けたものだ。

今回の資金調達は、ソフトバンクの「Vision Fund 2」にとって、独自の暗号資産を発行する企業への初の投資となる。

ブロックチェーンゲーム開発企業であるアニモカ・ブランズ(Animoca Brands)が過半数株式を所有する「The Sandbox」は、プレイヤーがイーサリアムのブロックチェーン上で仮想ゲーム体験を構築、所有、収益化することを可能にするゲームだ。

クリエイターにNFTとしてオーナーシップを提供し、プラットフォーム上でアセットを作成するためのツールを提供している。

ラッパーのスヌープ・ドッグ(Snoop Dogg)は、メタバース「The Sandbox」の中に彼の邸宅のデジタル・レプリカを作成するなど、ブランドや著名人とのパートナーシップを発表している。

「The Sandbox」は企業評価額の開示を拒否したが、暗号資産「サンドボックス・コイン(the Sandbox coin)」の時価総額は20億ドル近くに上る。

「The Sandbox」は現在、トークンの約22%を所有しているという。

先週、フェイスブック社が社名をメタ(Meta Platforms Inc.)に変更すると発表したことで、メタバースゲーム体験を構築する企業に対する投資家の関心が高まり、「サンドボックス・コイン」の価格は200%以上も急上昇した。

メタバースとは、人々がさまざまなデバイスを介してアクセスでき、デジタル環境の中を移動できる共有仮想プラットフォームのアイデアを指す。

「今回の投資は、ゲームからファッション、建築、バーチャルコンサートへと拡大するThe Sandboxのクリエイターズエコノミーの成長を後押しするものです」と、最高執行責任者で共同設立者のセバスチャン・ボルジェ(Sebastien Borget)氏はロイターのインタビューに答えた。

さらにボルジェ氏は「私たちは、オープンなメタバースを作っています。私たちはThe Sandboxを、メタバースを自分たちのものだと主張する巨大なハイテク企業に対抗するものと位置づけ、ユーザーを第一に考えた代替手段を提供しています」と述べている。

NFT市場が爆発的に成長する中、ソフトバンクは今年、NFT関連企業への出資を相次いで行っている。

最近では、スポーツNFTスタートアップのCandy Digitalや、NFTファンタジーサッカーゲームのSorareなどに投資している。

 (Reporting by Krystal Hu in San Francisco; Editing by Edwina Gibbs)
翻訳:竹田匡宏(あたらしい経済)
※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。

この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

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