ダッパーラボがバーチャルインフルエンサー開発「Brud」買収、企業の分散化支援も

ダッパーラボが「Brud」買収、企業の分散化の支援も

人気NFTゲーム「NBA Top Shot」やゲーム特化のブロックチェーン基盤「Flow Blockchain」を開発するダッパーラボ(Dapper Labs)が、ブラッド(Brud)を買収したことが10月4日に分かった。

ブラッドは、CGI(Computer Generated Imagery)インフルエンサー、いわるゆバーチャルインフルエンサーを開発・運用する企業だ。

同社のCGIインフルエンサーのリル・ミクエラ(Lil Miquela)は、2016年からインスタグラムで活動を開始しており、現在そのフォロワー数は300万人を超える。

なおダッパーラボの企業買収は今回のブラッドが初となる。ダッパーラボはブラッドを買収することで、DAO(自律分散型組織)の創設を目的としたダッパーラボの新しいビジネス部門「Dapper Collectives」の立ち上げと拡大を実施していくと発表されている。

具体的に「Dapper Collectives」では、リル・ミケラとその1,000万人のファンをはじめとして、ダッパーラボのプロダクトにコミュニティ・オーナーシップと集団形成をもたらすことが挙げられている。

そして他のコミュニティが「Flow Blockchain」上で分散型の所有権(DID)とガバナンスに関与することを支援するオープンソースツールを構築しリリースすること、またWeb2.0企業のオペレーションの分散化を支援し、CEOや取締役会レベルでトークンエコノミクスや技術的な実装をサポートすることが挙げられている。

ちなみにブラッドはこれまでにSequoiaとSpark Capitalらから約30億円(2,700万ドル)以上の資金調達を行なっている。

また今回の資本取引の一環として、既存のブラッドの株主はダッパーラボの株式や「Flow Blockchain」のネイティブ通貨「FLOW」を受け取る選択肢があるとのことだ。

ブラッドの買収に際して、ダッパーラボの創業者兼CEOのロハム・ガレゴスルー(Roham Gharegozlou)氏は発表で次のようにコメントしている。

「ブラッドはTrevor(Trevor McFrdries / ブラッド創業者)、Nicole de Ayora(CPO)、Kara Weber(COO)のバーチャルインフルエンサーやメタバースに関する活動をCryptoKitties以前から見てきましたが、今日一緒に仕事ができることを光栄に思っています。また、イーサリアム上のFWB DAOを共同設立するなど、分散型エコシステムにおけるTrevorの活動にも感銘を受けています」

ブラッドCEOのトレバー・マクフェドリーズ(Trevor McFedries)氏はダッパーラボとの資本取引について次のようにコメントをしている。

「まったく新しいストーリーの伝え方 を共に創る旅に出ました。私たちの使命はコミュニティによるストーリーテリングで世界を変えることです。今日、ダッパーラボに参加することで、世界で最も魅力的なIPの本拠地となっている急成長中の『Flow Blockchain』上で、このミッションを加速・拡大することができます」

参考:ダッパーラボ
デザイン:一本寿和
images:iStocks/artacet・metamorworks

この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

合わせて読みたい記事

【11/28話題】JPYCの信託型発行の検討開始、スタンダードチャータードがデジタル人民元の両替サービスなど

日本円ステーブルコイン「JPYC」の信託型発行が検討開始、金銭払い戻し可能に。三菱UFJ信託とプログマ協業で、スタンダードチャータード、デジタル人民元の両替サービス開始、バイナンス新CEOが所信表明、顧客重視と規制枠組み構築に貢献へ、バイナンス元CEOに米国滞在命令、UAEへの帰国許可は却下、Magic Eden、クロスチェーンセルフカストディウォレット「マジックエデンウォレット」β版公開、コスモスでATOMの最大インフレ率引き下げの提案承認、20%から10%へ、KDDI提供「αU wallet」、OasysのL2「HOME Verse」に対応、Nayuta、暗号資産取引所向けに「ライトニングネットワーク機能」の提供事業を開始、Web3開発インフラ「Bunzz」とJapan Open Chainが業務提携