ニュースレター配信プラットフォーム「Substack」、ビットコイン決済一部可能に

Substack、ビットコイン決済一部可能に

ニュースレター配信プラットフォームの米サブスタック(Substack)が、ビットコイン関連の決済プロバイダーであるオープンノード(OpenNode)と提携し、一部コンテンツに対してビットコイン決済を提供することを8月23日に発表した。オープンノードはオンチェーンとライトニングネットワークの両方のビットコイン決済に対応するとのことだ。

2017年に設立されたサブスタックは、個人や法人が簡単に有料や無料のニュースレター、いわゆるメールマガジンを配信できるサービス。2021年2月時点で有料購読者を50万人以上抱えており、月間ユーザー数は1200万人を超える。そして今年4月には米ベンチャーキャピタルのアンドリーセン・ホロウィッツ(a16z)がリードするシリーズBラウンドで約67億円(6,500万ドル)の資金調達を行なった。新たなコンテンツ配信プラットフォームとして、注目が集まっている。

2018年に設立されたオープンノードは、ビットコインとそのスケーリングソリューションであるライトニングネットワークによって実現される即時かつ低コストの決済性をビジネス適用する決済ソリューションを企業向けに提供している企業。オープンノードが企業に提供しているサービスは、Eコマースプラグインから最適化されたAPIなどだ。これまでにEコマースプラットフォームのショッピファイ(Shopify)や資産運用企業フィデリティ(Fidelity)らがオープンノードの決済ソリューションを採用している。

今回サブスタックのビットコイン決済が適用されるコンテンツは、暗号資産領域に特化したコンテンツの一部とのことだ。そのコンテンツの読者はビットコインを使って、定期購読料を支払うことができ、そのコンテンツを通して配信者はビットコインで収益を得ることができるようになる。

サブスタックのプロダクトデザイナーであるニック・インズッキ(Nick Inzucchi)氏はビットコイン決済を対応することについて次のようにコメントしている。

「オープンノードと協力して、サブスタックの配信者が暗号資産の支払いを受けられるようになることを非常に嬉しく思っています。このオプションを持つことで、配信者はより柔軟性と自由を得ることができます。配信者のニーズを満たすために、より多くの暗号資産決済に対応することを楽しみにしています」

オープンノードの共同設立者兼CTOのジョアン・アルメイダ(João Almeida)氏は次のようにコメントしている。

「今回の提携により、サブスタックのエコシステムに参加しているコンテンツ制作者は、ビットコインでの支払いが可能となり、収益をビットコインで保持したり、好みの暗号資産に交換したりすることができるようになります。ライターやポッドキャスターは、創造性と経済的自由を取り戻すためにサブスタックに集まってきており、ビットコインは自然にフィットします」

サブスタックには、現在暗号資産やブロックチェーン領域の配信コンテンツが比較的多く、今回はそれらのコンテンツ読者を対象とした取り組みと考えられるが、今後一般のコンテンツにも決済手段として拡大していくことを期待したい。またライトニングネットワークを活用すれば、少額決済にも対応できるため、ニュースレターとして今後新たしい可能性を広げる取り組みになるかもしれない。

参考:サブスタック
デザイン:一本寿和
images:iStocks/pgraphis・LongQuattro

この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

合わせて読みたい記事

【4/19話題】アプトスラボが金融機関向けプラットフォーム「Aptos Ascend」構築へ、バイナンスが違約金支払いインド再参入かなど

アプトスラボ、マイクロソフト・SKテレコム・ボスコンらと提携。金融機関向けプラットフォーム「Aptos Ascend」構築へ、バイナンス、約3億円の違約金を支払いインド再参入か=報道、バイナンスがドバイでVASPライセンス取得、個人投資家にもサービス提供可能に、バイナンス、トークンローンチプラットフォーム「Megadrop」公開。「BounceBit(BB)」取扱へ、イーサリアムのモバイルOS開発「ethOS」、web3スマホ「ethOS phone」発売開始、米クラーケン、独自開発のセルフカストディウォレット「Kraken Wallet」リリース、OKX、レイヤー2ブロックチェーン「X Layer」ローンチ