証券口座不要で申し込み、トヨタグループとの接点づくりへ
トヨタファイナンスが、公募型セキュリティトークン(ST)社債(デジタル社債)「TOYOTA Wallet つむぐボンド」を10月27日に発行した。親会社のトヨタファイナンシャルサービスが同日発表した。
同ST債の正式名称は「トヨタファイナンス株式会社第2回無担保セキュリティトークン社債(社債間限定同等特約および譲渡制限付)」で、「TOYOTA Wallet つむぐボンド」は愛称だ。
同ST債は、証券会社による販売を介さず、発行体が自ら投資家を募る「自己募集」方式を採用した。トヨタグループでは、自己募集による公募型ST社債の発行は今回が初となる。
発表によると、発行予定額の10倍を超える金額の申し込みが集まり、購入者は抽選で決定したという。申し込んだ人には、これまでトヨタファイナンスとの取引がなかった人も含まれるとのことだ。
同ST債の募集金額は10億円で、年限は1年、利率は年1.720%(税引前)。利払日・償還日は2027年10月27日となる。日本格付研究所(JCR)から「AAA」の格付けを取得しており、原則として満期前に売却できない。
募集期間は8月18日から9月2日17時までで、申込可能額は10万~9,990万円、申込単位は10万円だった。対象は日本に住所を持つ18歳以上の個人で、募集はすでに終了している。
申し込みには証券口座の開設を不要とし、スマートフォン決済アプリ「トヨタウォレット(TOYOTA Wallet)」と連携した専用ページを利用する仕組みを採用した。アプリのアカウント作成に加え、専用申込ページでの投資家登録と本人確認が必要だった。
払込みは本人名義の銀行口座からのオンライン口座振替のみとし、クレジットカード払いには対応しない仕組みとした。また、トヨタファイナンス発行のクレジットカード「TS CUBIC CARD」を保有していない人も申し込み可能とした。
ST社債は、ブロックチェーン技術を活用した社債だ。同ST債では、ブーストリー(BOOSTRY)が提供するコンソーシアム型ブロックチェーン基盤「アイベット・フォー・フィン(ibet for Fin)」を採用した。ファイナンシャルアドバイザーはSMBC日興証券、社債管理者は三井住友銀行が務める。
購入者向けには、富士スピードウェイの観戦チケットや、レクサス(LEXUS)・GR・トヨタ特選旧車の試乗体験などの抽選特典を用意した。また、アプリ内での設定やトヨタ・レクサス車の新車購入など、所定の条件に応じて「TOYOTA Wallet残高」を進呈する。特典の詳細は、発行後にアプリや登録メールアドレスを通じて案内するという。
トヨタファイナンシャルサービスとトヨタファイナンスは、自己募集方式により、申し込みから保有期間中の案内、特典提供までを一体的に設計したとしている。今後はトヨタウォレットを通じ、新たな体験や商品・サービスを提案し、投資家との継続的な関係づくりを目指すという。
なお、トヨタファイナンスは2025年3月にもST社債を発行している。前回は大和証券が引受会社を務め、証券会社を通じて販売していた。また、発行・管理基盤にはプログマ(Progmat)社の「Progmat(SaaS)」が採用されていた。
参考:プレスリリース
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