準備資産は毎日1対1以上、償還手数料は上限1%
カナダ財務省が10月24日付の官報(Canada Gazette, Part I)で、「ステーブルコイン規則(Stablecoin Regulations)」案を公表した。
同規則案は、2026年3月に成立した「ステーブルコイン法(Stablecoin Act)」の施行に向けた細則を定めるもの。法定通貨に連動するステーブルコインの発行体(銀行などの規制対象金融機関を除く)に対し、カナダ銀行(中央銀行)への登録や準備資産の保有、額面での償還などを義務付ける。政府は2027年秋の施行を目指しており、60日間の意見募集を実施する。
規則案では、発行体に対し、各日の終わり時点で流通残高の額面以上の準備資産を時価ベースで維持するよう求める。対象資産は残存期間3カ月以内の国債、要求払い預金、適格資産のみで運用するマネー・マーケット・ファンド(MMF)、期間1営業日のリバースレポなどに限定する。一方、資産構成比率には上限を設けない。
準備資産はカナダの法律に基づいて設立された適格カストディアンに保管し、発行するステーブルコインごとに分別管理する必要がある。
償還については、最低金額を設けず、保有者の請求に応じて額面と等価の法定通貨で償還することを義務付ける。期限は3営業日以内とし、必要な準備資産の換金と送金開始を求める。償還手数料は償還額の1%を上限とし、引き上げる場合は7日前までの告知が必要となる。準備資産市場の流動性が不足する場合には、1日当たりの償還額を制限できる。
また、発行体によるステーブルコインの保有残高に応じた利息や利回りの提供は禁止する。発行体が第三者との取り決めを通じて間接的に提供する場合も認めない一方、決済などの利用に応じた報酬は容認する。
発行体の監督はカナダ銀行が担い、財務相には国家安全保障上の審査権限を与える。財務相は申請書の写しを受領した翌日から原則として60日以内に審査の実施を判断し、必要に応じて登録拒否を指示できる。
カナダ銀行の監督費用は年間約250万カナダドル(約2.8億円)と試算され、発行体が負担する。基本負担金は流通残高に応じて2万5,000~75万カナダドル(約281万円〜8,441万円)となり、大規模発行体には変動分が加算される。
違反に対する行政制裁金の上限は、重大な違反で100万カナダドル(約1.1億円)、極めて重大な違反で1,000万カナダドル(約11億円)とする。 ・さらに、小口決済活動法(RPAA)の関連規則も改正し、ステーブルコインによる決済サービスを提供する事業者を規制対象に加える。暗号資産取引所や決済代行など約30社が新たに対象となる見込みだ。
規制影響分析では、対象となる発行体を当面約5社と想定し、カナダ市場で流通する例としてステーブルコープ(Stablecorp)の「QCAD」、ルーン・テクノロジー(Loon Technology)の「CADC」、サークル(Circle)の「USDC」を挙げた。
既存発行体は、法施行後30日以内に登録を申請すれば、審査結果が出るまで発行を継続できる。
カナダ財務省は、米国の「GENIUS法」や欧州連合(EU)の暗号資産市場規則(MiCA)などとの整合性も考慮したとしている。
参考:カナダ官報
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