NECとDFNS、国内金融機関向けデジタル資産基盤で協業へ。カストディシステムへの技術活用を検討

既存システムとの統合や国内規制に対応した構成を検証

日本電気(NEC)が、日本の金融機関向けデジタル資産基盤の実現に向け、仏ウォレット基盤企業ディフェンス(DFNS)と基本合意書(MOU)を締結したと10月27日に発表した。

両社は、NECが現在検討中のカストディシステムをはじめ、金融機関向けの各種システムにDFNSの技術を組み込む検討を進める。カストディとは、暗号資産(仮想通貨)などのデジタル資産を保管・管理する業務のことだ。

発表によると、日本の金融機関では、暗号資産やデジタル証券を扱うための業務・システム基盤の検討が進んでいるという。一方、既存の勘定系やバックオフィス、リスク・コンプライアンス管理、監査などのシステムとの接続が課題となっているとのこと。

今回の協業で活用を検討するのは、DFNSのウォレット、鍵管理、ポリシー・ガバナンス管理、取引に伴う処理を連携・制御する機能などだ。NECは、金融機関向けシステムの設計・構築・運用で培った知見を生かし、既存システムとの統合方法を評価・検証するとのこと。

また両社は、日本の関連規制や各金融機関のセキュリティ方針、業務・運用要件を踏まえ、それぞれの管理体制に適したシステム構成を検討するとのことだ。

DFNSの基盤は、クラウド上で利用するSaaS型のほか、署名処理を国内の自社データセンターで行うハイブリッド型、プライベートクラウド型、オンプレミス型に対応する。外部ネットワークから隔離した環境で署名する構成も選択できるという。

プライベートクラウド型やオンプレミス型では、署名処理だけでなく、ウォレットや取引、鍵、承認ルールなどを管理する基盤全体を自社環境に配置できる。これにより、鍵やデータ、運用を日本国内の自社インフラ内に保持できるとのことだ。

今後両社は、国内金融機関との対話を通じ、導入要件の具体化やシステム構成の検証を進めるという。将来的には、暗号資産に加えてデジタル証券などへの対応も視野に、金融機関による関連サービスの立ち上げや高度化を支援する方針だ。

NECは6月5日にも、クリプトガレージ(Crypto Garage)との国産デジタル資産カストディシステム開発に向けた協業を発表している。金融商品取引法の改正を見据え、金融機関や機関投資家、企業向けに、信頼性とセキュリティを備えた資産管理基盤の提供を目指す取り組みだ。

同協業では、NECが業務アプリケーションの開発やシステム基盤の構築を、クリプトガレージが秘密鍵管理技術やAML/CFT(マネーロンダリング・テロ資金供与対策)に準拠したバックエンドの開発・提供を担当するとしていた。また、将来的なステーブルコインの保管・管理ニーズも視野に入れ、拡張性の高い設計を検討する方針を示している。

なおDFNSは、日本の金融機関向け事業でコインチェックグループ(Coincheck Group N.V.)とも連携している。国内暗号資産取引所コインチェックを傘下に持つ同グループは、DFNSとの戦略的パートナーシップ締結を9月1日に発表した。

同提携では、DFNSの技術をコインチェックへ導入し、国内金融機関向けに機関投資家水準のデジタル資産カストディサービスを開発・提供する体制の構築を目指す。ただし、サービスの実現には、規制要件への適合と両社間の正式契約締結が前提とされている。

参考:プレスリリース・DFNS
画像:PIXTA

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大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
副編集長
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
副編集長
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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