フランス当局、DeFiアクセス規制などを明記したEUの暗号資産規制「MiCA」の改正案を公表

プロトコルの審査・監視や認証制度を提案

フランス財務総局と金融市場庁(AMF)、フランス銀行、健全性監督破綻処理機構(ACPR)が、欧州連合(EU)の暗号資産(仮想通貨)市場規則「MiCA」の見直しに向けた共同提言を公表した。AMFなどが10月21日に発表した。

今回の文書は、欧州委員会が実施したMiCA見直しに関する意見募集への共同回答だ。新たな規制の導入が決まったものではない。フランス当局は、金融分野のイノベーションと競争力を支えながら、投資家保護や金融の安定、EUの通貨主権を強化する枠組みを求めている。

DeFi(分散型金融)については、実質的な支配を及ぼす個人や集団を特定できない、完全に分散化されたプロトコルのリスクに、主に規制対象の事業者が提供するアクセス窓口を通じて対処する考えを示した。

具体的には、顧客にDeFiへのアクセスを提供する暗号資産サービス提供者(CASP)に、プロトコルの事前審査と継続監視を求めた。審査では、スマートコントラクトの脆弱性や監査、過去の事故、運営体制、流動性などを確認すべきとしている。重大な欠陥や違法行為との強い関連によりリスクが許容できない場合は、アクセスを制限・停止するよう提案した。

また、CASPが積極的にアクセスを提供した場合、顧客に影響する一定の事故について責任を負うべきとした。特に、十分な審査を怠った場合や、既知の脆弱性を無視した場合などを挙げている。

プロトコルやスマートコントラクトの認証制度の整備も提案した。ただし、認証はCASP自身の審査や監視を補完するものと位置付けている。未認証のプロトコルへの接続も、事業者独自の審査と情報開示の強化を条件に認める考えだ。

フランス当局は、審査・継続監視、認証、顧客に対する責任に関する要件を、重要なCASP(significant CASPs)に全面的に適用すべきとしている。

一方、利用者が秘密鍵を管理する非預託型ウォレットについては、すべての開発者への認証義務付けは現段階で過大だとした。DeFiへの接続など高度な機能を備えるウォレットでは、認証取得を促す方針を示している。

共同提言には、ステーブルコインや監督体制に関する見直しも盛り込まれた。フランス当局は、EUで認可されたCASPが、MiCAの要件を満たさないステーブルコインに関するサービスを提供することを、明示的に禁止するよう求めた。

その一方で、ユーロ建てステーブルコインやトークン化預金の普及を支持した。EU域内と域外で相互に代替可能なトークンを発行する「複数発行」については、規制の同等性評価や監督当局間の協力、準備資産と償還権に関する追加的な保護措置を条件に、制度を整備するよう提案した。

監督体制では、重要なCASPや暗号資産関連の複合企業グループに対する欧州証券市場監督局(ESMA)の役割強化を求めた。ステーキングや暗号資産の貸借についても、適用されるルールを明確にするよう提言している。

参考:AMF・共同回答全文
画像:PIXTA

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大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
副編集長
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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