米OCC、ステーブルコイン規制「GENIUS法」の最終規則公表。2027年1月18日施行へ

GENIUS法の最終規則を公表

米通貨監督庁(OCC)が、決済用ステーブルコインの規制枠組みを定めた米国の「ジーニアス法(GENIUS Act)」を実施するための最終規則を10月21日に公表した。同規則とジーニアス法はいずれも2027年1月18日に施行される。

今回の最終規則は、OCCの監督下にある「認可済み決済用ステーブルコイン発行体」および「外国決済用ステーブルコイン発行体」に適用される要件を定めるもの。また、OCCが監督する金融機関などによる特定のカストディ(資産保管)業務も対象となる。

同規則では、ステーブルコインの準備資産、償還、リスク管理などに関する基準を定めている。

ジーニアス法に基づきOCCに策定が義務付けられている規則のうち、銀行秘密法(BSA)、マネーロンダリング対策(AML)、米財務省外国資産管理局(OFAC)の制裁関連を除くすべてを網羅した。これらの分野については、米財務省と連携して別途規則を策定する方針だ。

OCCによると、今回の規則策定にあたっては、暗号資産(仮想通貨)関連企業や地域銀行の関係者、業界団体、学識者など幅広い関係者から数百件の意見が寄せられたという。

既存発行体には最長12カ月の免除措置

OCCは最終規則と併せて、決済用ステーブルコイン発行体の認可申請や適用免除(ウェーバー)に関するガイダンスも公表した。

同ガイダンスによると、2027年1月18日以降、米国内で決済用ステーブルコインを発行するには、原則としてジーニアス法に基づく認可を受ける必要がある。認可を受けずに発行した場合には刑事罰の対象となる。

一方、施行日までにOCCに実質的に不備のない認可申請を提出し、審査が継続している発行体については、同法や最終規則の一部要件について適用免除を申請できる。免除期間は2027年1月18日から最長12カ月とされる。

OCCは、米国内で事業を行う既存発行体が認可審査中もステーブルコインの発行を継続できるよう、事前認可要件については原則として免除を認める方針を示している。ただし、個別の審査で免除を認めない強い理由が確認された場合はこの限りではない。

なお、その他の要件については、一般的に免除を認める十分な理由は確認していないとしており、免除申請はそれぞれ個別に審査される。

認可申請の受付は、米行政管理予算局(OMB)による関連書類の最終承認後に開始する予定だ。OCCは申請および免除要請の受付開始時期について、別途発表するとしている。

またOCCは、ステーブルコイン業界がまだ発展の初期段階にあることを踏まえ、市場の進展や構造の変化を継続的に監視し、必要に応じて発行体向けの監督・規制枠組みを調整する方針だ。ジーニアス法の実施に関わる他の規制当局とも引き続き連携するという。

米財務長官「米国金融の転換点」

スコット・ベッセント(Scott Bessent)米財務長官は声明で、ジーニアス法を「米国金融における画期的な転換点」と評価し、米国を「世界の暗号資産の中心地」とする地位をさらに強固にするものだと述べた。また、1863年にエイブラハム・リンカーン(Abraham Lincoln)大統領のもとで成立した国家通貨法が銀行発行通貨の全国的な枠組みを確立したことになぞらえ、ジーニアス法もデジタル時代の決済用ステーブルコインに連邦規制の枠組みをもたらすものだと説明した。

OCC長官のジョナサン・V・グールド(Jonathan V. Gould)氏は、今回の最終規則がトランプ大統領とベッセント長官の掲げるデジタル資産分野での米国の主導的地位を確立する方針を前進させるものだと強調。厳格な規制基準を設けながら、OCCの長年にわたる監督経験を生かし、業界の責任ある成長とイノベーションを支援する考えを示した。

なおOCCは同日、最終規則に関する通達「Bulletin 2026-50」、適用免除と認可申請に関するガイダンス「Bulletin 2026-51」、発行体向け報告様式の改訂に関する「Bulletin 2026-52」も公表している。

参考:OCC発表
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

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