a16z Crypto、「a16z Frontier」に改称。AIなどへ投資対象を拡大

暗号資産分野への投資は継続

米ベンチャーキャピタルのアンドリーセン・ホロウィッツ(Andreessen Horowitz:a16z)の暗号資産(仮想通貨)投資部門「a16zクリプト(a16z Crypto)」の名称が、「a16zフロンティア(a16z Frontier)」に改称された。a16zが10月22日に発表した。

今回の改称に伴い、同部門の新ファンドの投資対象は暗号資産関連のスタートアップから、より広い先端技術分野へ拡大するという。対象となる「フロンティア・スタートアップ」は、新しい技術を開発し、新たな市場を生み出す企業と説明されている。こうした市場の形成には、数年かかる可能性があるという。

なおa16zは、暗号資産および関連事業への投資を継続する。適切な暗号資産規制の実現に向けた働きかけも続けるという。

同部門を率いるクリス・ディクソン(Chris Dixon)氏は、改称の背景として、ブロックチェーンの普及に伴う企業の分類の変化を挙げた。金融機関やフィンテック企業がブロックチェーンを活用した商品を展開する中、「暗号資産企業」という区分の重要性は薄れているとの見方を示している。

投資対象として関心が示されたのは、AIによって可能になる新たな製品・サービスや、物理世界を認識して推論・行動する自律型の機械、生物学・医療の進歩を活用した技術などだ。また、人間とAIエージェントをつなぎ、学習や協調、生産、取引を行う新たなネットワークにも言及された。

ディクソン氏は、こうした変化においてブロックチェーンも重要な役割を担うと説明している。ステーブルコインなどの決済基盤や、機械同士の取引を支える仕組みとしての活用を想定しているという。

同ファンドはディクソン氏に加え、a16z共同創業者のマーク・アンドリーセン(Marc Andreessen)氏とベン・ホロウィッツ(Ben Horowitz)氏、ジェネラルパートナー(GP)のエディ・ラザリン(Eddy Lazzarin)氏とガイ・ウオレット(Guy Wuollet)氏が率いる。

あわせてa16zは公式Xで、ディクソン氏、アンドリーセン氏、ホロウィッツ氏、エリック・トーレンバーグ(Erik Torenberg)氏が出演する対談動画のYouTube公開を案内した。

同投稿によると、対談では暗号資産技術がより広い技術分野に組み込まれてきた背景や、a16zフロンティアが同社の投資体制で担う役割を議論。AIを前提に設計されたスタートアップと既存企業の差、AIエージェント間の決済にステーブルコインが使われる可能性、AIがインターネットのビジネスモデルに与える影響なども扱っているという。

同部門は2025年12月11日に、2026年の注目テーマ17件をまとめた年次企画記事を公開していた。同部門のメンバーや外部寄稿者が、ステーブルコイン、現実資産(RWA)のトークン化、AIエージェント、プライバシーなどの展望を提示。AIエージェントの責任主体や制約条件を暗号学的に証明する「KYA(Know Your Agent)」の重要性などが論じられていた。

2026年1月に公開されたプライバシー分野の展望では、プライバシー機能がブロックチェーンの競争優位性になるとの見方や、分散型メッセージング、機密データのアクセス管理の重要性が示された。分散型金融(DeFi)のセキュリティについても、設計上の安全条件を定め、それに違反する取引を実行時に拒否する手法が論じられていた。

また1月8日のブログでは、暗号資産関連技術が「予測市場」「検証可能な計算」「メディア」に広がるとの見通しも示された。AIと暗号資産の組み合わせによる予測市場の拡大や、計算の正しさを暗号学的に確認する技術のクラウドへの応用、発信者が自らの主張に伴う利害や行動を検証可能に示す「ステークされたメディア(staked media)」などが紹介されていた。

参考:a16z
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
副編集長
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
副編集長
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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