シティ、カストディ基盤「Custody+」ローンチ。年内にビットコイン保管開始へ

伝統資産と暗号資産のカストディを同一の枠組みで提供へ

米金融大手シティグループ(Citigroup)の投資家向けサービス部門シティ・インベスター・サービス(Citi Investor Services)が、機関投資家向けのカストディ(資産保管・管理)ソリューション群「カストディプラス(Custody+)」を立ち上げた。シティが8月18日に発表した。

Custody+は、清算サイクルの短縮や常時稼働する市場、AIを活用した意思決定に対応する、ニアリアルタイムおよびリアルタイムのソリューション群だ。

シティはこれまで、証券などの伝統資産を対象とするカストディ事業を展開しており、現在は自社カストディ網を持つ62市場を含む世界100超の市場でサービスを提供している。Custody+では、この既存事業を標準化された従来型モデルから、顧客のワークフローや業務モデルに合わせて機能を組み合わせられるモジュール型に移行するという。

Custody+の一部として、シティは2026年中にデジタル資産カストディを開始する予定だ。まず暗号資産(仮想通貨)「ビットコイン(BTC)」のカストディから対応する。

同サービスは、シティ共通のデジタル資産アーキテクチャ上に構築される。顧客は同一の枠組みから伝統資産と暗号資産のカストディ機能にアクセスでき、ワンストップで利用できるという。

またCustody+には、リアルタイムの資産管理業務、即時清算、オンデマンドの外国為替(FX)、現金・流動性管理、AIを活用した税務処理、市場情報・データ提供、ホワイトラベル型プラットフォームなどの機能が統合されている。

現金・流動性管理では、「シティ・トークン・サービス(Citi Token Services)」を通じ、シティが展開する一部市場において、トークン化預金を24時間365日、ほぼ即時に移転できるようにしているとのことだ。

今回の発表に合わせてシティは、特許を取得している「シングル・イベント・プロセッシング(Single Event Processing:SEP)」技術の米国展開を完了した。同技術により、資産管理に関する取引が単一かつシームレスなフローで処理される。

米国での導入により、任意型コーポレートアクションの処理時間は最大92%短縮されたという。現在、米国の任意型イベントの96%が2時間以内に処理され、シティが扱うイベント総量の80%超がリアルタイムで処理されているとのこと。

またAIの活用により、税務関連書類の処理時間も最大70%短縮されたという。

シティのインベスター・サービス部門責任者クリス・コックス(Chris Cox)氏によると、同社のサービス事業は、スピードや拡張性、可用性を重視したプラットフォーム戦略に年間20億ドル(約3,189億円)超を投じている。

シティ・インベスター・サービスのカストディ部門責任者アミット・アガルワル(Amit Agarwal)氏は、Custody+について「顧客の戦略遂行のスピードに見合うインフラを構築するため、複数年にわたり取り組んできた成果だ」と述べている。

なおシティは今年2月26日、機関投資家向けのビットコインカストディ基盤を2026年後半に開始する計画を明らかにしていた。この計画について「あたらしい経済」では3月3日に報じている。

当時の発表では、ビットコインを既存の証券や現金と同一の保管・報告・税務の枠組みに統合する方針が示された。単一のカストディ口座のもとで、米国債やドイツ国債、トークン化マネー・マーケット・ファンド(MMF)などと並んでビットコインを管理できる設計を目指すとしていた。

また暗号資産と伝統資産間のクロスマージンを可能にする仕組みや、規制されたカストディ機能と取引機能を分離する枠組みの導入、米ドル決済と社内インフラの24時間体制への移行も進めるとしていた。今回のCustody+の発表により、当時示された計画の提供基盤が明らかになった形だ。

参考:プレスリリース
画像:PIXTA

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大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
副編集長
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
副編集長
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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