ユニスワップラボ、規制対象資産向け「パーミッションドプール」公開。v4でアクセス制御型AMMを実現

規制対象資産に対応する「パーミッションドプール」

分散型取引所(DEX)「ユニスワップ(Uniswap)」の主要開発元であるユニスワップラボ(Uniswap Labs)が、ユニスワップv4向けの新たなフック標準「パーミッションドプール(Permissioned Pools)」を7月23日に公開した。

パーミッションドプールは、トークン化株式やトークン化ファンドなど、法令上、取引できる投資家を制限する必要がある資産を、発行体が定めるコンプライアンス要件に基づくアクセス制限をオンチェーンで適用しながら、AMM(自動マーケットメイカー)で取引できるようにする仕組みだ。

通常のDEXは、ウォレットを接続すれば事前承認なしに誰でも利用できる。一方、トークン化株式やトークン化ファンドなどの規制対象資産は、法令上、保有者や譲渡先を管理する必要がある。そのため、誰でも自由に売買できるわけではなく、これまでこうした資産をパーミッションレスなAMMで扱うことは容易ではなかった。

パーミッションドプールは、簡単に言えば、AMMに「取引資格の確認機能」を組み込む仕組みだ。具体的には、スワップや流動性提供(LP)を行う前に、発行体が管理する許可リストを参照し、利用者のウォレットに必要な資格があるかを確認する。これらの確認はウェブサイト側ではなく、ユニスワップv4の拡張機能「フック(Hooks)」を中心とするコントラクト群を利用し、プロトコルレベルで実行されるとのことだ。

ユニスワップラボによるとパーミッションドプールは、規制対象資産をAMMで取引するための初の汎用的かつオープンソースの機関利用を想定した標準だという。発行体は、取引できる投資家を管理しながら、規制対象資産向けのAMMを構築できる。承認済みの投資家は、これまでAMMでは取引できなかった規制対象資産を、ユニスワップv4で直接取引・決済できるようになるとのことだ。

また、パーミッションドプールは、規制対象資産のオンチェーン化を進める企業との協力により開発された。ローンチパートナーには、スーパーステート(Superstate)、セキュリタイズ(Securitize)、ダウゴ(Dowgo)が参加している。

スーパーステートは、トークン化株式やトークン化ファンド向けの標準設計に協力した。セキュリタイズは、同社のDSプロトコルで発行されたトークンをオンチェーンでコンプライアンス要件に対応しながら取引するため、ユニスワップラボと協力した。またダウゴは、パーミッションドプールとトークン規格「ERC-3643」の統合に貢献したとのことだ。

ユニスワップラボは、トークン化資産市場の拡大には、コンプライアンス要件に対応しながら、パーミッションレスな市場へのアクセスも維持できる標準化された市場インフラが必要だと説明したパーミッションドプールが個々のプールへのアクセスを制御する一方、ユニスワップv4自体は引き続きパーミッションレスに維持される。開発者や資産発行体は、通常のプールをパーミッションレスに展開するか、特定資産向けのパーミッションドプールを展開するかを選択できるとのことだ。

なお、規制対応を前提としたオンチェーン取引基盤の整備は、他のブロックチェーンでも進められている。分散型台帳「XRPレジャー(XRP Ledger:XRPL)」では今年2月、事前に承認された参加者のみに取引を限定できる「パーミッションドDEX(Permissioned DEX)」が有効化された。同機能では、パーミッションドドメインの所有者が、取引への参加に必要な資格情報を設定する。必要な資格情報を保有する参加者のみが、オファーの作成や受け入れを行える仕組みだ。取引には、XRPLのネイティブDEXが備えるオーダーブックを利用する。

一方、今回ユニスワップラボが発表したパーミッションドプールは、オーダーブックではなくAMMを用いて、規制対象資産の取引を実現する点が特徴だ。法令上の要件を満たしながらトークン化資産を取引するためのインフラ整備が進む中、ブロックチェーン上でアクセス制御型の市場を構築する取り組みが広がりつつある。

参考:ユニスワップ
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

渡邉洋輔

「あたらしい経済」編集部 記者
ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。

「あたらしい経済」編集部 記者
ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。

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