国民民主の玉木代表、ハイパーリキッドに言及。ビットフライヤー加納CEOとDEX規制巡り議論

日本で分散型金融に関する政策議論が進展するか

国民民主党代表の玉木雄一郎氏が、分散型金融(DeFi)プロトコル「ハイパーリキッド(Hyperliquid)」に言及した投稿をきっかけに、日本における分散型取引所(DEX)の規制のあり方についての議論が広がっている。同氏は、ハイパーリキッドの成長や取引規模に触れ、オンチェーン金融の可能性を示す事例として4月16日に自身のXアカウントで紹介した。

この玉木氏の投稿に対し、国内暗号資産(仮想通貨)取引所ビットフライヤー(bitFlyer)の代表取締役である加納裕三氏がリプライした。同氏は、日本では暗号資産交換業者がDEXを運営することは認められていないと指摘した。

加納氏は、ハイパーリキッドの利便性について「法令を遵守していないことによる部分が大きい」との認識を示し、本人確認(KYC)やマネーロンダリング対策(AML)が行われていない点を問題視した。また、同サービスが合法とされるのであれば、自身もDEXの開発に参入するとの考えも示している。

これに対し玉木氏は、今回の投稿は世界のオンチェーン市場のトレンドを示すための事例紹介であると説明した。そのうえで、法令遵守を前提に日本のルール設計を検討すべきとの認識を示した。

さらに加納氏は再度の返信で、現状では外国事業者のみが事実上、日本国内居住者向けにこうしたサービスを提供できている状況が問題の本質であると指摘した。対応として、国内でDEXビジネスを認めるか、外国事業者も含めて規制を適用するかのいずれかの判断が必要との見解を示した。

その後、玉木氏は翌17日に追加の投稿を行い、日本の現行規制が投資家保護の観点から厳格に設計されている一方で、DEXに関するルールが未整備であるとの認識を示した。また、DEXに対応したルール整備を進め、関連事業を国内に取り込む必要があると述べている。

DeFiは、法的責任主体を持たず、分散型技術と自律的な仕組みを用いることで、ユーザー同士で直接取引を行う中立的なプロトコルとされる。一方で、日本国内向けに金融サービスを提供するにはライセンスの取得が法的に義務付けられているため、DeFiの法的責任の所在については度々議論を生んでいる。

日本ではこれまで、金融庁の有識者会議などでDeFiに関する議論が行われてきたが、「責任主体の所在」や「マネーロンダリング対策」の在り方などが主要な論点とされており、明確な制度枠組みは確立されていない。また、現行制度は資金決済法など既存の枠組みを前提として設計されているため、仲介者を前提としないDEXのような仕組みは想定されていないとの指摘もある。

一方、米国では分散型金融に対する規制適用を巡る議論が先行している。米証券取引委員会(SEC)はこれまで、DeFiプロトコルの開発者やフロントエンド提供者が証券規制の対象となる可能性を示してきた。

例えば、分散型取引所「ユニスワップ(Uniswap)」の主要開発企業であるユニスワップ・ラボ(Uniswap Labs)は2024年4月、SECから「ウェルズ通知」を受け取ったと公表している。これは同社が未登録の証券取引所などに該当する可能性があるとして、法的措置が検討されていることを示すものだ。

しかし、トランプ大統領就任以降は米国の暗号資産規制スタンスに変化も見られる。ユニスワップ・ラボがウェルズ通知を受け取った翌年となる2025年2月にはSECは同社に対する調査を終了し、強制措置を行わないことを決定したとされている。また今年4月には、SECの取引・市場局が一定条件下において、DeFiのフロントエンド提供者がブローカーディーラー登録の対象とならない可能性があるとの見解を示している。

今回の一連のやり取りは、日本におけるDeFiおよびDEXの制度的な位置付けを巡る論点を浮き彫りにしたものとみられる。今後、政策面での議論に発展するかが注目される。

 

参考:金融庁
画像:iStocks/Peach_iStock

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この記事の著者・インタビューイ

渡邉洋輔

「あたらしい経済」編集部 記者
ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。

「あたらしい経済」編集部 記者
ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。

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