ブラジル銀行、デジタル・ネイティブ仕組債に投資。同種取引でラテンアメリカ初

500万ドル規模でラテンアメリカ初

ブラジルの政府系銀行ブラジル銀行(Banco do Brasil:BB)は、自己勘定運用部門を通じ、シティグループ・グローバル・マーケッツ・ファンディング・ルクセンブルク(Citigroup Global Markets Funding Luxembourg S.C.A.)が発行した「デジタル・ネイティブ構造化債券(Digitally Native Structured Note)」に投資家として参加したと9月1日に発表した。

発行額は500万ドル(約7.8億円)。ユーロクリア(Euroclear)が運営するデジタル金融市場インフラ「D-FMI」上で発行され、BBによると、同種の取引としてはラテンアメリカ初となる。シティの発行体向けサービス部門「シティ・イシュアー・サービス(Citi Issuer Services)」が、シティバンクN.A.ロンドン支店を通じて発行・支払代理人を務めた。

BBは8月19日に取引に参加した。今回の投資は、金融システムの近代化や機関投資家向けの新商品・サービス開発につながる新技術やインフラモデルを評価する同行の戦略に沿ったものだという。

今回のデジタル・ネイティブ仕組債は、ブロックチェーン技術を基盤とするインフラ上で発行・登録・管理される。複数のシステムや仲介機関、逐次的な処理を必要とする従来型の仕組債と比べ、参加者間の連携や取引の透明性、追跡可能性を高めるほか、決済や照合、資産管理などの効率化が期待されている。

BBのフランシスコ・ラサルヴィア(Francisco Lassalvia)ホールセール事業担当副頭取は、金融市場のデジタル化について「長期的な構造的トレンド」と指摘。今回のような取り組みは、次世代のデジタル資産を支える基準やガバナンス、インフラの構築に寄与し、市場の効率性を高めるとともに、安全性と業務上の堅牢性を伴う技術革新を促すとの見方を示した。

シティでグローバル・マーケッツ・イシュアンス・エクイティ・ストラクチャリングを担当するマネージャーのロクソラーナ・ドゥシンスカ(Roksolana Dushynska)氏は、今回の発行について、デジタル資本市場の成長を加速させるシティの役割を示すものだと説明した。

また、分散型台帳技術(DLT)の資本市場への活用によって、投資家にとっての効率性や透明性、アクセシビリティが向上しているとし、世界の金融市場を前進させる新たなモデルの開発を引き続き進める方針を示した。

金融商品の発行や決済にデジタル基盤を活用する動きは、金融機関や規制当局、機関投資家の間で広がっている。BBは今回の取り組みを通じ、新たな金融インフラやデジタル資産関連技術の検証を進めるとしている。

参考:発表
画像:Reuters

関連ニュース

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

合わせて読みたい記事

ヴィタリック、SNARK・FHE・iOの計算コスト「将来10倍未満になる可能性60%」

イーサリアム(Ethereum)共同創業者のヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏が、SNARK、完全準同型暗号(Fully Homomorphic Encryption:FHE)、識別不能難読化(Indistinguishability Obfuscation:iO)の3技術について、将来的に通常計算の10倍未満のコストで実装できる可能性を60%と見積もった

ソラナ共同創業者、ロビンフッドチェーンの手数料モデルを批判。オフチェーンラボ共同創業者が反論

米金融サービス企業ロビンフッド(Robinhood)が展開するイーサリアムL2「ロビンフッド・チェーン(Robinhood Chain)」の手数料モデルを巡り、ソラナ(Solana)共同創業者のアナトリー・ヤコベンコ(Anatoly Yakovenko)氏と、アービトラム(Arbitrum)開発元オフチェーンラボ(Offchain Labs)共同創業者のスティーブン・ゴールドフェダー(Steven Goldfeder)氏がX上で議論を交わした

マルチコインのHYPE追加売却をアーカムが主張、共同創業者は否定

暗号資産(仮想通貨)投資会社マルチコインキャピタル(Multicoin Capital)が、分散型取引基盤「ハイパーリキッド(Hyperliquid)」のネイティブトークン「HYPE」の保有量のうち、さらに10%を売却したと、ブロックチェーン分析プラットフォーム「アーカム(Arkham)」が9月3日に公式Xアカウントで報告した