GalaxyがBitcoinの量子耐性強化を支援
デジタル資産企業ギャラクシー(Galaxy)が、ビットコイン(Bitcoin)の量子耐性強化を支援する取り組み「Galaxy Bitcoin Quantum Readiness Initiative」の開始を7月21日に発表した。
同社は、ポスト量子暗号に取り組む開発者や研究者への助成に、総額最大500万ドル(約8.1億円)を拠出するとのこと。助成案件は個別に審査され、マイルストーンの達成に応じて資金が交付されるという。
この取り組みは、開発者・研究者向けの助成、同社の調査・分析部門ギャラクシーリサーチ(Galaxy Research)による継続的な調査・情報発信、量子諮問評議会(Quantum Advisory Council)の3本柱で構成される。量子諮問評議会はすでに設置されており、初期メンバーには、カルガリー大学のバリー・サンダース(Barry Sanders)教授、MITシーグラント・クナウス・フェローのダミアン・ベリュベ(Damien Bérubé)氏、ボストン大学のエラン・トロマー(Eran Tromer)教授が名を連ねる。
ギャラクシーは助成の優先分野として、量子攻撃に耐性を持つトランザクション提案の実装・レビュー、ポスト量子署名方式の開発とビットコインへの統合、ウォレットやカストディ(保管)事業者向けの移行ツール、提案された実装に対する正式なセキュリティ監査などを挙げている。
同社によると、ビットコインの取引認証には楕円曲線暗号に基づく署名方式が使われており、将来、十分に強力な量子コンピューターが実現すれば、攻撃者が公開鍵から秘密鍵を導出して署名を偽造できる可能性がある。ただし、ビットコインの暗号に現実的な脅威となる量子コンピューターは、現時点では存在しないとのことだ。
ギャラクシーリサーチは3月19日、ビットコインの量子リスクを分析したレポートを公開した。同レポートによると、ビットコインの主な量子リスクは、楕円曲線暗号に基づくECDSAやSchnorrなどの署名方式にある。一方、SHA-256などのハッシュ関数は量子攻撃に対して比較的耐性が高いものの、グローバーのアルゴリズムによる影響は受け得るため、署名方式とはリスクの性質が異なるという。
また同レポートは、ビットコインでは、公開鍵のハッシュを使うアドレス形式の場合、通常はコインを使用する時点まで公開鍵がブロックチェーン上に露出しないと説明している。ただし、初期のP2PK、アドレスの再利用、Taproot(P2TR)など、公開鍵がすでに露出しているケースもある。一般的なウォレットアドレスに公開鍵を使うソラナ(Solana)や、外部所有アカウント(EOA)が署名付きトランザクションを送信すると署名から公開鍵を復元できるイーサリアム(Ethereum)とは、量子攻撃にさらされる資産の範囲やタイミングが異なるという。
Today we’re launching the Galaxy Bitcoin Quantum Readiness Initiative.
— Galaxy (@galaxyhq) July 21, 2026
No quantum computer today can break Bitcoin’s security. But that could change faster than expected, and Bitcoin is slow to update by design. We love Bitcoin and believe in its long-term importance and… pic.twitter.com/DGYFwRmddJ
参考:ギャラクシー
画像:PIXTA