アライドアーキテクツとNyxが提携
東証グロース上場でマーケティングAX(広告変革)支援事業を展開するアライドアーキテクツが、イーサリアム(Ethereum)に特化した日本の私設研究機関であるニックス・ファウンデーション(Nyx Foundation:以下、Nyx)とのパートナシップ契約締結を5月15日に発表した。
この契約により両者は、オンチェーンを使った資産運用システムのAIエージェントを用いた 「セキュリティ耐性評価」 に関する共同研究等を実施する予定とのこと。
そして今後、実施する予定の本共同研究の成果は、アライドアーキテクツが推進する 「資産AX事業」 のうち、「AI を活用した、情報分析・監視支援」における、企業が組むブロックチェーン上のパートナーが安全かどうかをAIが事前にチェックする機能に組み込まれる予定だという。
この取り組みでは、Nyxが主催するAIエージェント・コンペティション「ASCON(Agentic Simulation for eCONomics competition)」を実環境とし、AIエージェントがパートナー候補のシステムに対しハッキングを含む攻撃シミュレーションを実施するとのこと。これにより、客観的にセキュリティ耐性を評価する仕組みの構築を目指すとのことだ。
今回のパートナシップの背景には、ステーブルコインやRWA(実物資産トークン化)の市場拡大に伴い、日本企業のオンチェーン参入が進む一方で、導入に向けた課題が残っていることがあるという。アライドアーキテクツは、これらの課題を「知識の壁」、「実務の壁」、「信頼の壁」の3つに整理している。
「知識の壁」は、ブロックチェーンやステーブルコイン、DeFi(分散型金融)などの用語・仕組みが難しく、自社に必要なものを判断しにくいこと。「実務の壁」は、会計・税務・法務・保管管理・社内規程など、技術以上に実務面の論点が多いことを指す。また「信頼の壁」は、どの技術が安全か、どのパートナーと組むべきか、どの情報を信じるべきかについて、判断材料が整理されていないことだという。
同社は特に「信頼の壁」を解消するには、第三者による監査結果に頼るだけでなく、企業自身がテスト環境の中で候補システムを実際に検証し、耐性を見極められる仕組みが必要だとしている。今回の共同研究は、こうした課題に対応する取り組みと位置付けられている。
Nyxでは、形式検証とセキュリティを専門領域とし、次世代プロトコルの安全性向上に取り組んでいる。活動資金は寄付、研究助成金、スポンサーシップで支えられており、イーサリアム財団をはじめ、国内外のブロックチェーン企業や大学との連携を進めている。
同団体が独自開発するAIバグ発見システム「SPECA(Specification-to-Checklist Agentic Auditing)」は、イーサリアム財団プロトコルセキュリティ研究チームによる助成プログラム「Integrating LLMs into Ethereum Protocol Security Research」に採択されている。
また、イーサリアムの次期大型アップグレード「Fusaka」の公開監査コンテストでは、11種類のクライアント実装から17件の脆弱性を発見し、報告件数で世界1位を獲得したという。
このほか、イーサリアムの耐量子移行に向けたポスト量子署名の性能改善や形式検証、次世代クライアント「Verity」の開発推進にも関与。MEVやプライバシー保護技術領域でのイーサリアム財団との共同研究・研究助成、Financial Cryptography 2026 DeFi Workshopでの論文採択など、国際的な研究実績もNyxは有している。
参考:アライドアーキテクツ
画像:PIXTA