イーサリアム系研究開発組織、ウォレット復旧機能「ソーシャルリカバリーSDK」公開

ウォレット復旧機能の設計を公開

イーサリアム(Ethereum)エコシステムにおけるプライバシー技術の研究開発を行うプライバシー・スチュワーズ・オブ・イーサリアム(Privacy Stewards of Ethereum:PSE)が、スマートウォレット向けの復旧機能「ソーシャルリカバリーSDK(Social Recovery SDK)」の設計および実装について解説するブログ記事を、3月2日に公開した。

PSEはイーサリアム上でのプライバシー機能の実用化を目指す研究開発組織だ。暗号技術ツールの開発や標準策定などを行っている。

今回公開されたソーシャルリカバリーは、ウォレットの秘密鍵を紛失した場合に、あらかじめ設定した第三者(ガーディアン:復旧を承認する役割を持つ人物やデバイスなど)の承認によってアクセスを回復する仕組みだ。従来のシードフレーズによるバックアップに代わり、ブロックチェーン上のルールに基づいて復旧を行う点が特徴とのこと。

同SDKは、あらかじめ設定した複数のガーディアンの承認によってウォレットを復旧できる仕組みを提供する。復旧には一定の承認数や待機期間(タイムロック)などの条件が設定できるという。

ガーディアンの認証方法としては、外部アカウント(EOA)の署名のほか、パスキー、zkEmail、zkJWT、zkPassport、Verifiable Credentialsなどが例示されている。つまり、事前にこれらをガーディアンとして設定しておけば、鍵を紛失した場合でも、それらによる承認を組み合わせることでウォレットの復旧が可能になる仕組みだ。

また同SDKは、ウォレットの仕組みを担うスマートコントラクトと、開発者が組み込みに利用するクライアントSDKの2層で構成されており、既存のスマートウォレットに組み込みやすい設計となっている。

なお同SDKは既存のスマートウォレットに復旧機能を追加するためのSDKとして位置付けられている。

一方で、zkEmail / zkJWTを用いるガーディアンの公開鍵基盤(PKI)の課題や、複数チェーンにまたがる復旧UXについては、今後の課題として挙げられている。

参考:PSE
画像:PIXTA

関連ニュース

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

渡邉洋輔

「あたらしい経済」編集部 記者
ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。

「あたらしい経済」編集部 記者
ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。

合わせて読みたい記事

【6/24話題】国内初、SBIが信託型円ステーブルコイン「JPYSC」提供開始、SBI VCトレードはリップルの「RLUSD」取扱開始、イーサリアム財団の新体制など(音声ニュース)

ブロックチェーン・仮想通貨(暗号資産)・フィンテックについてのニュース解説を「あたらしい経済」編集部が、平日毎日ポッドキャストでお届けします。Apple Podcast、Spotify、Voicyなどで配信中。ぜひとも各サービスでチャンネルをフォロー(購読登録)して、日々の情報収集にお役立てください。

SuiのBTC金融基盤「Hashi」、機関投資家向け連合を拡大。7月テストネット開始へ

レイヤー1ブロックチェーン「スイ(Sui)」のエコシステムで開発が進められるビットコイン(BTC)金融基盤「ハシ(Hashi)」に、機関投資家向け暗号資産マーケットメーカーのカンバーランド(Cumberland)、デジタル資産プラットフォームのスイスボーグ(SwissBorg)、分散型レンディングおよびDEX(分散型取引所)プロトコルのフルイド(Fluid)が参加した