米上院、住宅法案可決。FRBのCBDC発行を2030年まで禁止

デジタルドル発行を2030年まで制限

米上院は、大型住宅政策法案「21世紀の住宅への道法案(21st Century ROAD to Housing Act)」を賛成89、反対10の超党派で3月12日に可決した。同法案には、米連邦準備制度(FRB)による中央銀行デジタル通貨(CBDC)の発行を禁止する条項が盛り込まれている。

ただし同法案は、住宅政策を中心とする約300ページの包括法案であり、下院での審議や大統領の署名を巡って不透明感も残っている。

今回上院を通過した法案は、米国の住宅供給拡大や住宅市場改革を目的とするもので、住宅建設の促進や住宅支援制度の改革など多数の政策が含まれている。法案には住宅供給拡大や住宅取得支援、退役軍人向け住宅政策、住宅市場改革など複数の政策パッケージが盛り込まれている。

同法案の後半には、CBDCに関する条項が設けられ、FRBによるCBDCの発行を禁止する内容が盛り込まれた。

条文では、FRBの理事会または連邦準備銀行が「中央銀行デジタル通貨、またはそれと実質的に類似するデジタル資産」を、金融機関などの仲介を通じても含めて発行・創出することを禁止すると定められている。

なお、この措置は2030年12月31日まで有効となる。

米国では、政府が発行するCBDCについて、共和党を中心に反対論が強い。

主な理由として、政府による金融監視の強化やプライバシー侵害の懸念が指摘されている。米国ではこれまでCBDCの導入は研究段階にとどまっており、実際の発行計画は進んでいない。

米暗号資産業界団体デジタル・チェンバー(The Digital Chamber)のCEO、コディ・カーボーン(Cody Carbone)氏は声明で、金融プライバシーは米国の自由の基盤であり、CBDCの導入を認めるかどうかは、議会と国民が決めるべき問題だと述べている。

同氏はまた、米国のデジタル金融イノベーションは民間主導で進められるべきだとの考えも示した。

ただし、この法案の成立にはまだハードルが残る。

下院では法案の内容を巡り再調整を求める動きが出ており、とくに住宅市場における大規模投資家の住宅保有数を制限する条項が議論の焦点となる可能性がある。

さらにドナルド・トランプ大統領は、今年の中間選挙に向けて有権者の身分証明義務を強化する法案が成立するまで、新たな法案には署名しない可能性を示唆しており、住宅法案の成立にも影響する可能性がある。

このため、CBDC禁止条項を含む今回の法案が最終的に成立するかどうかは、今後の議会協議と大統領の判断に左右される見通しだ。

参考:法案 
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

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