米フロリダ州、ステーブルコイン規制枠組み法案を可決。インディアナ州では年金で暗号資産投資選択肢提供へ

規制整備進む

米フロリダ州議会が、決済用ステーブルコインの規制枠組みを定める法案を可決した。同州ブロックチェーン団体のフロリダ・ブロックチェーン・ビジネス協会の創業者サミュエル・アームズ(Samuel Armes)氏が3月7日にXで明らかにした。法案は上下両院で可決されており、ロン・デサンティス(Ron DeSantis)知事の署名を経て成立する見込みだ。アームズ氏は、今後30日以内に署名される見通しを示している。

可決されたのは上院法案「SB314」だ。同法案は、フロリダ州で決済用ステーブルコインを発行・運営する事業者向けの規制ガイドラインを整備する内容となっている。あわせて下院法案「HB175」と連動し、消費者保護や金融監督に関する基準を導入する方針だ。

この法案では、既存の資金サービス事業者向けのマネーロンダリング防止法(Control of Money Laundering in Money Services Business Act)を改正し、ステーブルコインを明確に対象に追加している。これによりステーブルコイン発行者は既存の金融規制に従う必要があり、無許可での発行は州内で禁止される。また、一定の決済用ステーブルコインは証券には該当しないことも明確化された。

フロリダ州外に拠点を置く発行者が州内で事業を行う場合、州金融規制局(Office of Financial Regulation:OFR)への事前通知が必要となる。監督体制は発行者の構造によって異なり、一部の事業者はOFR単独の監督を受け、他の事業者は米通貨監督庁(Office of the Comptroller of the Currency:OCC)との共同監督の対象となる。

さらに同法では、ステーブルコインに付随するインセンティブのリスクにも言及された。連邦規則で利回り支払いが禁止される場合、適格発行者は保有者に対して利息や利回りを支払うことが禁止される。

アームズ氏はXで、同州が暗号資産分野の政策整備で主導的役割を果たしていくとの見方を示している。

なおフロリダ州では、暗号資産を戦略的準備金として保有するための法的枠組みを新設する法案「SB1038(Florida Strategic Cryptocurrency Reserve)」が2025年12月30日に州上院へ提出されている。

同法案は州の最高財務責任者(CFO)に暗号資産準備金の管理権限を付与する内容で、購入対象は平均時価総額5,000億ドル以上の暗号資産に限定されており、現状ではビットコインのみが条件を満たすとされている。

インディアナ州は年金で暗号資産投資選択肢提供へ

また米国では州レベルで暗号資産関連政策の整備が進んでいる。インディアナ州でも3月3日、マイク・ブラウン(Mike Braun)知事が暗号資産関連法「HB1042(Regulation and Investment of Cryptocurrency)」に署名し、デジタル資産の投資や利用に関する包括的な枠組みが成立された。

同法では、州が管理する退職年金および貯蓄プログラムにおいて、暗号資産を投資選択肢として提供できる仕組みが整備される。暗号資産運用会社ヴァンエック(VanEck)のデジタル資産調査責任者マシュー・シーゲル(Matthew Sigel)氏はXで「インディアナ州は、州管理の退職・貯蓄プランにビットコインなど暗号資産を組み込むことを合法化した米国初の州になった」と述べた。

具体的には、対象となる州運営の投資プログラムに対し、2027年7月1日までに「自己指図型ブローカレッジ口座(self-directed brokerage account)」を提供し、その中に少なくとも1種類の暗号資産投資オプションを含めることを求める。利用者はこの口座を通じて、暗号資産へ直接的な投資エクスポージャーを得ることが可能となる。

同法では、暗号資産ETFを投資対象に含めることは可能とされる一方、ステーブルコイン関連ファンドは利回り構造に関する規制の不透明さを理由に対象外とされた。

また同法は、州や地方自治体が合法的な暗号資産決済の利用を禁止することや、個人によるセルフカストディウォレットの保有を制限することを原則として禁止。ノード運営やブロックチェーンソフトウェア開発、デジタル資産の送金、ステーキングなどの活動を公的機関が制限することを防ぐ内容も盛り込まれている。

さらに、産業地域における暗号資産マイニング事業の保護や、住宅地域での小規模マイニングについても、通常のゾーニング規制の範囲内で認める規定が盛り込まれている。

画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

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