韓国、株式・暗号資産インフルエンサーの規制強化へ=報道

株式・暗号資産の保有量公開を義務化の方針

韓国の与党「共に民主党」が、株式や暗号資産(仮想通貨)の投資を勧誘する金融系インフルエンサーに対し、自身の保有資産や受領対価の開示を義務付ける法改正を推進する方針のようだ。「聯合ニュース」が2月25日に報じている。この動きには、SNS上での影響力拡大を背景に、不透明な情報発信から投資家を保護する狙いがあるようだ。

報道によれば、国会政務委員会所属のキム・スンウォン(김승원)議員(共に民主党)は、「資本市場と金融投資業に関する法律」および「暗号資産利用者保護等に関する法律」の一部改正案をそれぞれ代表発議する準備を進めているという。

改正案の骨子は、不特定多数に対して金融投資商品や暗号資産の売買を誘引する目的で反復的に助言を行う者、あるいは対価を受け取って売買を勧誘する者に対し、その者が受け取った対価の内容や金額、さらに自ら保有する金融投資商品および暗号資産の種類と数量を公開させるというものだ。

適用対象となるのは、刊行物や出版物、通信物、放送などを通じて投資判断や資産価値に影響を与える助言行為とのこと。具体的な範囲は大統領令で定める方針とされる。違反した場合の処罰水準については、相場操縦やフロントランニングなど既存の資本市場における不公正取引に準じる厳格な水準が検討されているという。

キム議員は法案の提案理由として、不特定多数に対して投資判断に関する助言を行う金融系インフルエンサーが登場し、その影響力が拡大している現状を挙げた。こうした助言の中には不適切な情報提供や利益相反の問題が含まれる可能性があるにもかかわらず、発言が市場に大きな影響を与えることで投資家に予測不能な損害が生じていると指摘されている。

金融系インフルエンサーの規制は海外でも強化の流れにある。英国の金融行為監督機構(Financial Conduct Authority:FCA)は、事前承認を受けた金融商品のみ宣伝を認める体制を整備した。米国では米証券取引委員会(SEC)や金融取引業規制機構(FINRA)が違反行為に対し、譴責や罰金を科した事例もある。

韓国国内でも管理強化の必要性は継続的に指摘されてきた。金融監督院によると、類似投資顧問業の届け出件数は2018年の132件から2024年には1,724件へと6年間で12倍以上に増加している。SNS上で資格を持たずに無分別な投資助言や虚偽情報の流布、相場操縦などを行い、不当な利益を得る金融系インフルエンサーが増加しているとの分析だ。

資本市場研究院のアン・ユミ(안유미)上席研究員は、営業チャネルのオンライン化によって登録された類似投資顧問業者が大幅に増加する一方で、不法・不健全行為が摘発される可能性も拡大していると説明している。また、未登録の投資助言業者によるSNS上での虚偽・誇大広告が依然として行われていると指摘した。そのうえで、金融系インフルエンサーの影響力と潜在的リスクを踏まえ、金融当局による事前監視と事後制裁を含む強力な管理体制の構築や、ソーシャルメディアで金融情報を提供する際の追加的なルール整備が必要だと強調している。

韓国では現在、暗号資産規制に関する議論が活発化し、現物ETFなどを含むデジタル資産制度の追加整備(第2段階法)に向けた議論・準備も進んでいる。

イ・ジェミョン(이재명)大統領は、資本流出への問題意識からウォン建てステーブルコインの必要性に言及しており、当局・与党内では発行を認めるための規制枠組み整備が議論されている。

また、金融当局(FSC)は、一定の要件を満たす法人による暗号資産投資を、自己資本の最大5%を上限に認める指針を検討している。政府・与党はステーブルコイン規制などを含む第2段階のデジタル資産立法を進め、2026年に暗号資産の現物ETF導入を進める方針だと報じられている。

参考:報道
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

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