RWA.xyzへの本邦初掲載も開始
デジタル証券の発行・管理基盤を提供するプログマ(Progmat)が、デジタル証券(セキュリティトークン:ST)の発行・管理基盤「Progmat」について、分散型台帳「コルダ5(Corda5)」から「アバランチL1(Avalanche L1)」への移行を完了したと7月13日に発表した。
今回の移行により、同社が管理する全ST案件が、EVM(イーサリアム・バーチャル・マシン)互換になった。金融機関の利用要件を満たしながら、パブリックチェーン環境にある各種スマートコントラクトとの連携をしやすくするという。
移行対象となった全ST案件は、7月13日時点で4,520億円超。これはST発行案件の有価証券届出書に記載された総資産額と、ST債の公開発行額をもとに、償還済み案件をゼロとしてプログマが算出した金額だ。
また今回の移行により、権利移転の処理速度は従来比で約3~5倍に高速化したという。アバランチL1でのトランザクションのファイナリティは2秒未満となり、プログマは「ほぼ即時決済」を実現したとしている。
今回の基盤刷新は「プロジェクト・キーストーン(Project Keystone)」として進められた。同プロジェクトでは、ブロックチェーン連携レイヤー「メディエーター(mediator)」を導入し、台帳部分と業務機能を分離。特定のブロックチェーンに依存しない構成へ変更したほか、ステーブルコインやトークン化預金との連携を見据え、オンチェーンとオフチェーンの機能配置を最適化した。
さらに、鍵管理に関するリスクを低減するため、クラウドネイティブなセキュリティ基盤へ刷新。利用企業ごとのCordaノード追加が不要になったことで、新規利用企業向けの環境構築にかかる期間とコストも削減したという。
技術面では、JavaベースのCordaスマートコントラクトから、プログラミング言語「ソリディティ(Solidity)」を用いたEVMスマートコントラクトへ移行した。既存機能の動作や仕様、非機能要件を変更せず、発行済み案件や既存利用企業への影響を最小限に抑えたとのことだ。
運用基盤には、アバランチ開発元のアバラボ(Ava Labs)が提供する「アバクラウド(AvaCloud)」を活用する。SOC 1およびSOC 2 Type IIの認証によって金融事業者が求める水準を確保するとともに、プログマとアバラボが連携し、休日・夜間を含む障害対応体制を構築したという。
またプログマは今回、トークン化された現実資産(RWA)のデータ・分析プラットフォーム「RWA.xyz」への掲載開始も案内した。同社は今回の掲載を本邦初としている。RWA.xyzでは、トークン化プラットフォームとしてプログマの企業概要が掲載されている。7月13日現在、市場データと分析については「近日公開」と表示されている。
プログマは2月26日、アバランチ(Avalanche)およびデータチェーン(Datachain)との協業を発表し、「Progmat」のマルチチェーン化とクロスチェーン対応を進めていた。今後は、異なるブロックチェーンで発行されたSTとステーブルコイン間のDvP決済(証券と代金の同時決済)や、ステーブルコイン間のPvP決済(通貨同士の同時決済)などの実現を目指す。
アバランチL1は、アバランチのエコシステム内で構築できるアプリケーション固有の独立したEVM互換のレイヤー1ブロックチェーン(旧サブネット・現L1)だ。各L1は独自のルールやトークンエコノミクス、技術仕様を設定でき、特定の用途に合わせてネットワーク環境をカスタマイズできる。
参考:プログマ
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