機関向けオンチェーン金融でプライバシー対応を拡張
ブロックチェーン開発企業のスタークウェア(StarkWare)が、ゼロ知識プライバシーレイヤー「ナイトフォール(Nightfall)」を、同社が主要開発企業として関与するイーサリアム(Ethereum)レイヤー2ブロックチェーン「スタークネット(Starknet)」に統合する計画を2月17日に発表した。
ナイトフォールは、世界4大会計事務所の一角であるアーンスト・アンド・ヤング(Ernst & Young:EY)が開発した、パブリックドメインで公開されるゼロ知識証明を用いたプライバシー基盤だ。取引の正当性を証明しつつ、残高や取引金額、取引相手といった情報をオンチェーン上に公開せずに処理できる点が特徴だという。最新版は「Nightfall_4」として公開されている。
スタークウェアによると、今回の統合により、企業や金融機関はパブリックブロックチェーン上で、機密性を保ったまま支払いや資産移転、分散型金融(DeFi)取引を行えるようになるという。取引はデフォルトで非公開とされ、必要に応じて監査や規制対応のための選択的開示やKYC(本人確認)にも対応できる設計とのこと。
同社は、パブリックブロックチェーンは、これまで透明性の高さが利点である一方で、これが機関利用を制限してきた一因だと説明する。つまり、残高や取引関係、取引戦略が可視化されることが、コンプライアンス上や競争上のリスクにつながり、企業資本の参入障壁となってきたという。
今回、ナイトフォールの統合により、スタークネット上では、プライベートなB2B決済や国境を越えた支払い、残高を非公開とした企業トレジャリー管理、トークン化資産の保有・移転が可能になるとのこと。またレンディングやスワップ、利回り戦略といったDeFiにも、機密性を保った形で参加できるという。スタークウェアの説明によると、これらの取引はイーサリアムや既存のDeFiアプリケーションとも相互運用可能だとされている。
スタークウェア共同創業者でCEOのイーライ・ベン=サッソン(Eli Ben-Sasson)氏は、ステーブルコインやトークン化預金の分野において、パブリックブロックチェーンが機関向けの決済インフラとして機能し得るとの考えを示し、ナイトフォールの統合によって、その仕組みを実際に示すと説明している。
スタークウェアは、ステーブルコインやトークン化決済の取引量が拡大しており、2025年には調整後の決済量が10兆ドル(約1,535兆円)を超えたと説明する。こうした環境の中で、プライバシーとコンプライアンスを両立したオンチェーン金融の基盤は、グローバル金融において重要性を増しているとのことだ。
同社は今後、世界各地で教育イベントを開催し、金融機関や企業と開発者が、機密性やリスク管理、規制対応とパブリックブロックチェーンの共存についての検討機会を提供するとしている。
1/ The Starknet stack now enables confidential payments & DeFi for institutions.
— StarkWare (BTCFi arc) (@StarkWareLtd) February 17, 2026
Today, we’re bringing Nightfall, EY’s ZK privacy layer, to Starknet.
Ethereum-secured rails, now ready for enterprise scale pic.twitter.com/irme37L276