ソラナ、史上最大級のDDoS攻撃に影響なし、共同創業者は「強気材料」との見方

ソラナが大規模DDoS攻撃下に

レイヤー1ブロックチェーン「ソラナ(Solana)」のネットワークが、最大で約6Tbps(テラビット毎秒)規模のDDoS攻撃を受けていると、同プロジェクトの共同創業者アナトリー・ヤコベンコ(Anatoly Yakovenko)氏が12月9日にXの投稿で言及した。

DDoS攻撃は大量の通信を送り付けることでネットワークやサーバーを過負荷状態に陥らせる手法だ。ヤコベンコ氏は今回の攻撃を「産業規模(industrial scale)」と表現している。

ソラナ基盤の分散型物理インフラ(DePIN)ネットワーク「パイプ・ネットワーク(Pipe Network)」も、この攻撃について言及した。同プロジェクトによると同攻撃は継続中であり、6Tbpsという通信量は1秒あたり数十億パケット規模に相当し、「インターネット史上でも最大級のDDoS攻撃の一つ」になり得ると位置付けた。

一方で、こうした大規模攻撃にもかかわらずソラナのネットワーク稼働に目立った影響は確認されていないとのこと。パイプ・ネットワークによれば、通常であればレイテンシの増加やスロットの欠落、トランザクション承認の遅延が発生する水準の負荷であるものの、ソラナでは顕著なパフォーマンス低下は見られていないという。

ヤコベンコ氏はこの状況について、「誰かがこの攻撃に、チェーンが収益として生み出しているのと同程度の金額を投じている」と指摘しつつ「6Tbps規模のDDoSは強気(bullish)材料だ」との見方を示した。攻撃が成立していない点自体が、ネットワークの耐障害性を示しているとの認識を示唆した形だ。

ソラナは過去に複数回のネットワーク停止を経験してきた。2021年にはトランザクションの集中により約17時間の停止が発生し、2022年にも複数回の停止事例が報告されている。また2023年2月には重大な性能劣化(長いファイナライズ時間)を受けて再起動が行われ、さらに2024年2月にも約5時間停止している。ただし、2022年と比べると停止の発生頻度は相対的に低下しているとの見方もある。

ソラナ過去最大級とされる今回のDDoS攻撃でもネットワークが稼働を維持した点は、ソラナのインフラ設計や耐障害性を示す事例として注目されている。

 

画像:iStocks/LuckyStep48

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