トークン化株式提供のディナリ、オムニチェーン対応L1チェーン提供へ、AvaCloud採用で

Dinari Financial Network提供へ

米サンフランシスコ拠点のトークン化株式サービス企業ディナリ(Dinari)が、レイヤー1ブロックチェーン「ディナリファイナンシャルネットワーク(Dinari Financial Network)」の提供予定を8月14日に発表した。

ディナリファイナンシャルネットワークは、ディナリのパートナーネットワーク向けに、オムニチェーン(複数ブロックチェーン間の相互運用)での流動性と決済を可能にするとのこと。複数のブロックチェーンにまたがるトークン化証券の調整レイヤーとして機能するのが特徴だという。

ディナリファイナンシャルネットワークの基盤には、アバクラウド(AvaCloud)が採用されているとのこと。アバクラウドは、レイヤー1ブロックチェーンのアバランチ(Avalanche)を基盤とし、独自チェーン「L1(旧サブネット)」の構築などに対応する企業向けツールだ。

またディナリファイナンシャルネットワークは、アービトラム(Arbitrum)やベース(Base)、プルーム(Plume)との互換性があり、非EVM(イーサリアム)ネットワークのソラナ(Solana)にも対応予定だという。

ディナリファイナンシャルネットワークのガバナンスはコンソーシアム型となっている。初期バリデーターには米暗号資産取引所のジェミナイ(Gemini)、大手暗号資産カストディ企業ビットゴー(BitGo)、米資産運用会社ヴァンエック(VanEck)およびウィズダムツリー(WisdomTree)が参加予定だという。さらに複数の参加者が、カストディおよび決済支援も提供する予定とのこと。

またディナリは、米国株式に1対1で裏付けられたトークン化株式サービスのディーシェアーズ(dShares)を提供している。

ディーシェアーズは、1株単位ではなく小口からの購入が可能だ。また暗号資産(仮想通貨)と同様に24時間365日、オンチェーンでの取引に対応している。さらに、米国株式の取引時における為替変動や高い取引手数料といった課題も、オンチェーン取引を通じて解消されるという。

ディーシェアーズでは現在、アップル(AAPL)やテスラ(TSLA)、エヌビディア(NVDA)、SPDR S&P 500 ETFトラスト(SPY)、ストラテジー(MSTR)、グーグル(GOOGL)を含む150以上の米国株式を提供中だ。

なおディーシェアーズは、ジェミナイのトークン化株式にも採用されている。 ジェミナイ上のトークン化株式は、アービトラム上で発行されているとのことだ。

参考:ディナリ
画像:iStocks/dalebor

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一本寿和

「あたらしい経済」編集部
記事のバナーデザインを主に担当する他、ニュースも執筆。
「あたらしい経済」で学んだことを活かし、ブロックチェーン・NFT領域のバーチャルファッションを手がけるブランド「JAPAN JACKET」を2021年10月より共同創業。

「あたらしい経済」編集部
記事のバナーデザインを主に担当する他、ニュースも執筆。
「あたらしい経済」で学んだことを活かし、ブロックチェーン・NFT領域のバーチャルファッションを手がけるブランド「JAPAN JACKET」を2021年10月より共同創業。

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