ストラテジーが2025年Q2業績を発表、純利益は過去最高の約10Bドルに

ストラテジーが2025年Q2業績を発表

ビットコイン(BTC)の保有数で上場企業世界第1位のストラテジー(Strategy)が、暗号資産(仮想通貨)市場が好調だった四半期の恩恵を受け、6四半期ぶりに黒字を計上したと7月31日に発表した。

今月初め、米国大統領ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏が、ステーブルコインに関する「GENIUS法(GENIUS Act)」に署名し、暗号資産業界の正当性を大きく後押しした。

法案成立による期待感が高まる中、投資家がワシントンの動きを歓迎し、時価総額最大の暗号資産ビットコイン(Bitcoin)は初めて120,000ドルを突破した。

ストラテジーは6月30日時点で597,325BTCを保有し、平均取得単価は70,982ドルだ。ビットコインは現在116,600ドル前後で取引されている。

同四半期、米大手銀行から決済企業に至るまで多くの企業が暗号資産を取り入れる動きを見せる中、ストラテジーはデジタル資産の未実現公正価値評価益として140億ドル(約2兆1,098億円)を計上した。

2024年第4四半期までストラテジーでは、ビットコインの価格が取得価額を下回った場合にのみ評価損を計上でき、売却しない限り価格上昇益を認識できない会計処理となっていた。

6月30日までの3か月間の純利益は99.7億ドル(約1兆5,029億円)で、1株当たり32.60ドル(約4,913円)となっており、前年同期は1億260万ドル(約155億円)、一株当たり0.57ドル(約86円)の損失から改善した。

ストラテジーは2020年に現金でビットコインを買い始め、その後、低コストの転換社債の発行や株式売却を通じて資金を調達し、ビットコインの保有量を積み増してきた。

同社株は今年に入り約39%上昇し、ビットコインの25%上昇を上回っている。この現象により、複数の上場企業が事業転換を迫られ、ストラテジーの創業者兼会長のマイケル・セイラー(Michael Saylor)氏の「買って保有する」財務戦略を模倣する動きが引き起こされている。 ・セイラー氏は決算発表後の電話会見で「ビットコインは財務準備資産として、ハイパーグロース・ハイパーアダプション段階に入っている」と述べた。

財務戦略を模倣する企業の一部は現在、イーサリアム(ETH)などのトークンにも軸足を移し、ブランクチェック企業との合併を通じて暗号資産を株式に組み込んで上場するケースも見られる。

ストラテジーの株価は昨年に約5倍となり、12月にはナスダック100指数の構成銘柄入りを果たした。

※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。
Saylor’s Strategy swings to quarterly profit as treasury strategy gains momentum
(Reporting by Ateev Bhandari in Bengaluru; Editing by Alan Barona)
翻訳:大津賀新也(あたらしい経済)
画像:Reuters

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大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
副編集長
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
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ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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