リップル社買収のHidden Road、米機関投資家向け「デジタル資産OTCスワップ取引」提供開始

Hidden Roadがデジタル資産OTCスワップ開始

デジタル資産に特化したプライムブローカーのヒドゥンロード(Hidden Road)が、米国市場向けにデジタル資産OTC(店頭取引)スワップのプライムブローカレッジ(Prime Brokerage)サービスを提供開始したと5月28日に発表した。

プライムブローカレッジとは、ヘッジファンドや大口の機関投資家に対して、証券の取引、貸借、決済などの包括的な金融サービスを提供する業務を指し、その中核を担うのがプライムブローカー(Prime Broker)と呼ばれる専門金融機関である。

ヒドゥンロードによる新サービスの提供開始により、米国の機関投資家は数10種類の主要なデジタル資産を対象とした現金決済型のOTCスワップ取引を実行可能になったとのこと。なお取り扱い銘柄については現時点で公表されていない。

またOTCスワップ取引は、ヒドゥンロードグループの英国金融行動監視機構(FCA)規制下にある法人ヒドゥンロードパートナーズCIV UK(Hidden Road Partners CIV UK)を通じて提供されるという。

さらにヒドゥンロードはOTCスワップ取引に加え、暗号資産分野におけるクロスマージニングおよび資金調達サービスの提供も開始する予定とのこと。

なお今回の発表のなかでヒドゥンロードは、今後リップルの潤沢なバランスシートを背景に同サービスの取引対応能力を大幅に拡大し、世界最大級の非銀行系プライムブローカーのひとつとなることを目指す方針を示した。

ヒドゥンロードによる今回のサービス提供開始は、同社が今年4月に米リップル(Ripple)社との間で締結した買収に関する最終合意に続く動きとなる。この買収額は12.5億ドル(現在のレートで約1,785億円)とされており、買収完了については規制当局の承認を前提として進められ今後数カ月以内と見込まれている。

ちなみにヒドゥンロードは、外国為替(FX)やデジタル資産、デリバティブ、スワップ、債券といった市場において、清算、プライムブローカレッジ、ファイナンスなどのサービスを一括して提供している。年間の清算取引額は3兆ドル(約428兆円)を超え、300社以上の主要機関投資家を顧客として抱えているとのことだ。

参考:Hidden Road
画像:iStock/ThinkNeo

関連ニュース

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

一本寿和

「あたらしい経済」編集部
記事のバナーデザインを主に担当する他、ニュースも執筆。
「あたらしい経済」で学んだことを活かし、ブロックチェーン・NFT領域のバーチャルファッションを手がけるブランド「JAPAN JACKET」を2021年10月より共同創業。

「あたらしい経済」編集部
記事のバナーデザインを主に担当する他、ニュースも執筆。
「あたらしい経済」で学んだことを活かし、ブロックチェーン・NFT領域のバーチャルファッションを手がけるブランド「JAPAN JACKET」を2021年10月より共同創業。

合わせて読みたい記事

シタデル・セキュリティーズ、トークン化証券とDeFiに取引所・証券会社規制の適用を提言。業界側から反発の声も

米大手マーケットメイカーのシタデル・セキュリティーズ(Citadel Securities)が、トークン化された米国株式を取り扱うDeFi(分散型金融)プロトコルに対しても、取引所およびブローカー・ディーラーとしての規制を適用すべきだとする意見書を米証券取引委員会(SEC)に12月2日に提出した

【12/4話題】イーサリアムのFusakaがメインネット実装完了、MUFGとプログマが日本初のトークン化投資信託を開発へなど(音声ニュース)

ブロックチェーン・仮想通貨(暗号資産)・フィンテックについてのニュース解説を「あたらしい経済」編集部が、平日毎日ポッドキャストでお届けします。Apple Podcast、Spotify、Voicyなどで配信中。ぜひとも各サービスでチャンネルをフォロー(購読登録)して、日々の情報収集にお役立てください。

Sponsored