イーサリアム財団、新たに2名の共同エグゼクティブディレクターを任命

イーサリアム財団の共同エグゼクティブディレクターが任命

イーサリアム財団(Ethereum Foundation:EF)が、共同エグゼクティブ・ディレクター2名による新たなリーダーシップ体制を3月1日に発表した。

今回新たにエグゼクティブ・ディレクターとして任命されたのは、Hsiao-Wei Wang(シャウ・ウェイ・ウォン)氏とTomasz Stańczak(トマシュ・スタンチャク)氏の2名だ。

Wang氏はEFで7年間コアリサーチャーを務めた人物でイーサリアムのビーコンチェーンの主要貢献者であるという。またコミュニティビルディングにも積極的で、同氏の拠点である台湾のイーサリアムコミュニティでは、質の高い成功したイベントを繰り返し開催してきたとのこと。

またStańczak氏は、イーサリアムのノードソフトウェア「ネザーマインド(Nethermind)」の創設者兼CEOを務める人物だ。またMEV(採掘可能価値→PoS移行後は最大抽出可能価値)がイーサリアムにもたらす悪影響を軽減するために設立された研究開発組織「フラッシュボット(Flashbots)」の初期メンバーでもあるという。

両名は、3月17日付で共同エグゼクティブ・ディレクターに就任する予定。Stańczak氏については「ネザーマインド」に引き続き関わるというが、CEOの職は辞任する予定だという。

イーサリアムの共同創業者であるヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏は、1月19日にXへの投稿で、EFのリーダーシップ体制に「大きな変更を加えるプロセス」が進行中であることを明かしていた。

新たなリーダーシップ体制構築に伴い、これまでEFのエグゼクティブ・ディレクターを務めてきた宮口あや氏が、同役職を辞任し、新たにプレジデントに就任することが2月25日に発表されている。

なおコミュニティでは、新たなエグゼクティブ・ディレクターとして元EF研究者でイーサリアムメインネットの大型アップグレード「マージ(The Merge)」を監督したダニー・ライアン(Danny Ryan)氏と、イーサリアムフランスの社長ジェローム・デ・ティシェイ(Jerome de Tychey)氏を推薦する声が多く上がっていたが、今回Hsiao-Wei Wang氏とTomasz Stańczak氏の2名が同役職に就くことになった。

ちなみに前述したMEVとは、ブロックチェーンのマイナーまたはバリデーターがブロックを生成する過程でトランザクションの組み込み、除外、順序の変更を行うことで、通常のブロック報酬やガス報酬とは別で得られる利益のことだ。 

参考:イーサリアム財団
画像:iStocks/PIXTA

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大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
副編集長
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
副編集長
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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