ポリゴンラボ幹部ら、DeFi市場の不正行為撲滅のための規制枠組み提案

規制枠組みを提案

ポリゴンラボ(Polygon Labs)の幹部らが、分散型金融(DeFi)市場における不正行為と闘うための規制枠組みを提案した。同氏らが作成した論文にて1月30日発表された。

「分散型金融における不正な金融活動と闘うための概念的フレームワーク(Genuine DeFi as Critical Infrastructure: A Conceptual Framework for Combating Illicit Finance Activity in Decentralized Finance)」と題した同論文は、ポリゴンラボのレベッカ・レティグ(Rebecca Rettig)氏とカチャ・ギルマン(Katja Gilman)氏、そして元金融犯罪執行ネットワーク(FinCEN)長官のマイケル・モージャー(Michael Mosier)氏によって書かれている。

同論文は、分散型金融の世界を規制する方法について述べられており、DeFiプラットフォームを3つの概念的枠組みに分類してその方法を概説している。

第1のカテゴリーは、中央集権的な主体(システム管理者)に依存するシステム(オンチェーン CeFi)だ。これらを識別できるようにするため、論文では2019年のFinCENガイダンスに基づく「独立した管理」の定義が提案されており、これらは、ケースバイケースの分析によって規制の対象となる可能性が高いとされている。

第2のカテゴリーは、システム管理者のいないシステム(本物のDeFi)を「重要インフラ」として分類し、財務省のサイバーセキュリティ・重要インフラ保護局(OCCIP)の監督下に置かれることが提案された。

論文の中で著者らは、「真正の金融機関は 『金融機関』として指定されるべきではなく、『重要インフラ』はこの概念とは全く別個のものだ」と強調している。

最後に、第3のカテゴリーは、RPCノードプロバイダのように、金融機関ではないが、「真正DeFi システム」と相互作用する企業を包含するものであり、これらは「重要通信送信者(CCTs)」という新たな分類を行うことを提案された。このような事業者は米国家および経済安全保障の保護に協力する規制義務を負うが、銀行秘密保護法(BSA)の対象となる「金融機関」と同じ義務ではなく、FinCENによる新たな限定的かつ調整された監督対象になるとのことだ。

ポリゴンラボのレティグ氏は「建設的な対話は業界を前進させる最善の方法であり、我々は業界と政府の協力のもと、これらのコンセプトをさらに発展させることを楽しみにしている」と述べている。

なおRPC(リモートプロシージャコール)ノードとは、分散型アプリケーション(dApps)とブロックチェーンネットワーク間を通信する特殊なサーバーのことだ。 

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参考:PCPD
images:iStocks/ismagilov

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
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