積水化学、蘭ブロックチェーントレーサビリティ「サーキュライズ」と業務提携

積水化学、蘭サーキュライズと業務提携

積水化学工業が、資源循環におけるサプライチェーントレーサビリティシステム開発を行う蘭サーキュライズ(Circularise)との資本業務提携を12月1日発表した。

サーキュライズ提供のレーサビリティシステムではブロックチェーンを活用し、個別の商品に関する原材料調達からリサイクル履歴、カーボンフットプリント等のライフサイクル全体にアクセスできるデータ「デジタル製品パスポート」を企業に対し提供している。

積水化学グループでは2050年サーキュラーエコノミー(資源循環型経済システム)の実現のため、サプライチェーンと連携し、化石由来原料の使用量を最小化し、再資源化による資源循環を推進するなど、事業を通じたサーキュラーエコノミーの実現を目指している。

今回の提携により積水化学は、「デジタル製品パスポート」を始めとした情報共有化プラットフォーム構築へ参画し、更なる「サステナビリティ貢献製品」の拡充、価値向上を推し進めるとのこと。

これにより積水化学は、一層の資源循環推進とサステナブルな社会の実現に貢献するとのことだ。

サーキュライズは2016年にオランダで設立された企業。サプライチェーン内のデータや文書をブロックチェーンで管理し、機密性を保ちながら共有するソリューションを開発している。

同社は2019年にナイロン素材の製造を行うDOMO Chemicals(ドーモ・ケミカルズ)やポリマー材料の製造を行うCovestro(コベストロ)といった大手メーカーとの協業を発表し、2020年9月には製品に使用されるプラスチックの追跡プロジェクト「Circularise Plastics」について、欧州委員会(EC)から150万ユーロ(約1.8億円)の資金提供を受けたことを発表していた。

また2021年2月には丸紅と、日本とアジアの化学品市場向けにサーキュライズのトレーサビリティプラットフォームの展開を目的とした業務提携契約を締結している。同年9月には、DNP、三菱ケミカル、リファインバースによるバイオマスやリサイクル原料の管理・追跡の実証実験にサーキュライズのプラットフォームが採用されている。

そして昨年11月にサーキュライズは、シリーズAラウンドで1100万ユーロ(約15.9億円)の資金調達を完了している。

関連ニュース

参考:積水化学
images:iStocks/Olena-Lishchyshyna・Lidiia-Moor

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
副編集長
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
副編集長
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

合わせて読みたい記事

カルシ、米国向けにセイネイティブの「SEI」と「USDC」入出金に対応

米予測市場プラットフォームのカルシ(Kalshi)で、レイヤー1ブロックチェーン「セイ(Sei)」のネイティブトークンSEIおよび同ネットワーク上の米ドル建てステーブルコインUSDCの入出金が可能になり、同資産を用いたイベント契約取引の資金移動ができるようになった。Xより12月3日に発表されている

シタデル・セキュリティーズ、トークン化証券とDeFiに取引所・証券会社規制の適用を提言。業界側から反発の声も

米大手マーケットメイカーのシタデル・セキュリティーズ(Citadel Securities)が、トークン化された米国株式を取り扱うDeFi(分散型金融)プロトコルに対しても、取引所およびブローカー・ディーラーとしての規制を適用すべきだとする意見書を米証券取引委員会(SEC)に12月2日に提出した