AltX Research、ステーブルコイン決済事業に転換。旧JSC「MIZUHIKI」メインネット稼働

ステーブルコインで支払い、加盟店は日本円で受け取り

ブロックチェーンの研究開発を手がけるアルトエクスリサーチ(AltX Research)が、「ミズヒキ(MIZUHIKI: The Japan Chain)」によるステーブルコイン決済インフラ事業への転換を9月28日に発表した。同社はあわせて、同ブロックチェーンのメインネットが稼働していることも明らかにした。

ミズヒキは、同社が開発を進めてきた「ジャパン・スマート・チェーン(Japan Smart Chain:JSC)」を改称した、日本発のレイヤー1ブロックチェーンだ。名称変更については、公式サイトで今年5月22日付で発表されている。今回同社は、ステーブルコインの発行・決済に対応するインフラの提供と、決済サービスプロバイダー(PSP)事業を一体で展開する方針を示した。

同社によると、ミズヒキは日本の規制に対応したステーブルコインの利用を想定して設計されている。取引を検証するバリデーターノードは日本国内に配置され、国内事業者が運用する。イーサリアム(Ethereum)との互換性も備える。

同社によると、決済向け機能「スピードレーン・ペイメンツ(SpeedLane Payments)」により、対象となるステーブルコイン決済を1秒未満で確定できるという。

ガス代にあたる取引手数料は、支払いを代行する「ペイマスター」を通じてステーブルコインで支払える。基盤側ではネイティブトークン「MIZU」が使われるが、対象サービスの利用者が自ら保有する必要はないという。

また、本人確認(KYC)やマネーロンダリング対策(AML)などの機能を基盤側に備える。オンチェーンの取引手数料の一部をステーブルコイン発行体に還元する仕組みも採用し、発行体が取引量に応じて収益を得られるようにするという。

決済サービスでは、顧客がステーブルコインで支払い、加盟店が日本円で代金を受け取る仕組みを提供する。加盟店への入金は月次で行われる予定で、加盟店がステーブルコインを保有・管理する必要はない。

対応するステーブルコインには「USDC」、「USDT」、「JPYC」などを挙げ、事前に認めた銘柄のみを扱うホワイトリスト方式を採用する。主な対象は100万円以上の高額取引や越境購買、訪日客による消費で、クレジットカードの利用限度額や海外送金の手続きなどに伴う課題の解消を目指す。

さらに同社は、ステーブルコインを活用し、マイナンバーカードのみで給付金の受け取りと利用ができる基盤の構築を進めている。事前の申し込みやスマートフォンアプリを不要にし、受給者の手間や自治体の事務負担を減らすことを目指すという。

発表によると、複数の自治体で実証実験の実施と、同基盤の構築に向けた補助金の交付が決まっている。同社は年度内の概念実証(PoC)完了を目指す。今回の発表では、対象自治体の名称や決済サービスの具体的な提供開始日は明らかにされていない。

なお、アルトエクスリサーチは、伊藤穰一氏とペイディ(Paidy)創業者ラッセル・カマー氏が共同設立した企業だ。

ミズヒキのビジョンパートナーには、みずほ銀行、みんなの銀行、KDDI、博報堂、電算システム、東京ドーム、ファミマデジタルワン、GMO-Z.comトラストカンパニー(GMO-Z.com Trust Company)などが参画している。

参考:アルトエクスリサーチ・名称改称
画像:iStocks/PIXTA

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大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
副編集長
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
副編集長
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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