質問形式で送金の再確認を促す
セルフカストディ型暗号資産(仮想通貨)ウォレット「メタマスク(MetaMask)」に、「投資・ロマンス詐欺の兆候を送金前に検知し、利用者へ質問と警告を表示する新たなセキュリティ機能」が導入された。メタマスクの運営チームが9月14日に発表した。
新機能では、利用者が暗号資産を送金しようとする際に、投資・ロマンス詐欺に共通する兆候を検査する。セキュリティ企業ブロックエイド(Blockaid)とも連携し、送金先が悪意あるアドレスとして分類されていないかを確認する。
不審な兆候が検出された場合、メタマスクは利用者に複数の質問を表示する。質問内容には、「送金相手と実際に会ったことがあるか」、「利益を保証されたか」、「送金を急かされているか」などが含まれる。
ただし新機能は、送金を自動的に停止するものではない。警告と質問を通じて利用者に再確認を促したうえで、送金を続けるかどうかの最終判断は利用者に委ねる。メタマスクは同機能を、送金を阻む壁ではなく、危険に気付かせるための「減速帯」と説明している。
投資・ロマンス詐欺では、攻撃者が数週間から数カ月をかけて被害者との信頼関係を築き、架空の投資案件などへの送金を促す。悪意あるコードを実行するのではなく、被害者自身に送金させるため、コードやブロックリストを基にした従来のセキュリティ対策では検知できない場合があるという。
メタマスクの発表では、米連邦捜査局(FBI)のインターネット犯罪苦情センター(IC3)の2025年版報告書を引用。米国人の暗号資産投資詐欺による損失額は、2025年に約72億ドル(約1兆1,124億円)と報告されたと紹介されている。
新機能は、モバイル版「メタマスク」v8.11以降とブラウザ拡張機能版v13.48以降で利用できる。対象は、イーサリアム仮想マシン(EVM)に対応するすべてのネットワークとのこと。EVMは、イーサリアム上でスマートコントラクトを実行するための環境だ。
参考:メタマスク
画像:PIXTA