既存法人はメタマスクに、リネアなどは新コンセンシスへ
暗号資産(仮想通貨)ウォレット「メタマスク(MetaMask)」などを開発するコンセンシス・ソフトウェア(Consensys Software:CSI)が、個人向け事業と機関向け事業を分離し、独立した2社として運営する計画を9月9日に発表した。
今回の再編では、既存のCSIが法人として存続し、メタマスクへブランドを変更する。同社はメタマスクのプラットフォームと個人向け製品を運営する。一方、CSIのプロトコル開発部門と機関向けブロックチェーン基盤事業は、新設会社「コンセンシス(Consensys)」に移る。
メタマスクの公式ブログによると、2社は9月9日から独立した運営を開始しており、分離は2026年末までに完了する見込みだ。
メタマスクの会長兼CEOは、CSIのCEOを務めてきたイーサリアム(Ethereum)共同創業者のジョセフ・ルービン(Joseph Lubin)氏が務める。同氏は新コンセンシスのエグゼクティブ・チェアマンも兼任する。新コンセンシスでは、マイク・クリアク(Mike Kriak)氏がCEO、デビッド・カニンガム(David Cunningham)氏が社長を務める。
CSIは再編の背景として、個人によるセルフカストディの利用拡大と、金融機関のブロックチェーン活用が実証から本番運用へ移行している点を挙げた。それぞれの市場で事業を拡大するため、専任の経営陣や独自の運営体制、投資戦略が必要になったとしている。
メタマスクは、利用者自身が資産を管理するセルフカストディを基盤に、資産の保管・決済・貯蓄・運用を一体化した金融プラットフォームを目指す。同社はイーサリアムを重視しつつ複数のブロックチェーンに対応し、伝統的な金融商品へのアクセスも拡大する方針だ。
ルービン氏は同日公開したブログで、利用者自身が資産を所有・管理する「オープンマネー(Open Money)」の構想を説明した。
メタマスクは6月30日、「メタマスク・マネー・アカウント(MetaMask Money Account)」の提供を開始した。同サービスでは、入金した資産が米ドル連動型ステーブルコイン「mUSD」に交換され、DeFi(分散型金融)を通じて運用される。利用者は、利回りの獲得に加え、同じ残高を取引やカード決済に利用できるという。
新コンセンシスには、イーサリアムL2「リネア(Linea)」や、イーサリアム関連ソフトウェア「ベス(Besu)」、「テク(Teku)」を手がけるチームと技術が引き継がれる。同社は、金融機関や企業によるブロックチェーン導入や、トークン化金融市場への参加を支援するという。
なお公式ブログによると、今回の再編に伴うメタマスクのアプリ、資産、秘密鍵、アクセスの変更はなく、利用者による手続きは不要とのこと。開発者向けのSDKやAPI、各種ツールも従来通り提供される。
また、暗号資産メディア「コインデスク(CoinDesk)」は5月13日、事情に詳しい関係者の話として、CSIが市況悪化を理由に米国での新規株式公開(IPO)計画を延期し、実施は早くても2026年秋になると報じた。
今回の再編発表では、IPOの実施時期や、2社のうちどちらが上場を目指すのかは明らかにされていない。
Today, MetaMask begins its next chapter as an independent company.
— MetaMask 🦊 (@MetaMask) September 9, 2026
Consensys Software Inc., the company behind MetaMask, is rebranding as MetaMask, fully focused on the consumer platform. The protocols and institutional infrastructure businesses, including Linea, are becoming a…