海外デジタル資産デリバティブの投資仲介規制を改正へ
タイ証券取引委員会(SEC)が、海外のデジタル資産デリバティブ(DAデリバティブ)への投資を仲介する事業者に関する規制改正案について、パブリックコメントの募集を開始した。タイSECが8月31日に発表した。
今回の改正案は、DAデリバティブの商品特性やリスクに応じた規制を整備し、投資家保護の確保が目的だ。意見募集は9月30日まで実施される。
タイSEC理事会はこれまでに、暗号資産(仮想通貨)とデジタルトークンからなるデジタル資産を、デリバティブ法に基づく追加の原資産・変数として指定している。
これはタイ国内のデリバティブ市場の発展を促進するとともに、デリバティブ事業者が適切な規制監督の下で関連サービスを提供できる環境を整えることを目的としたものだ。
またタイSECは現在、タイ先物取引所(TFEX)と、DAデリバティブのリスク特性に適した契約仕様について協議している。これと並行し、デリバティブ事業者による顧客の海外DAデリバティブ投資の仲介に関する規制整備を進めている。
現行制度では、事業者が一般投資家(リテール投資家)や富裕層投資家(HNW)に対して海外デリバティブへの投資仲介サービスを提供する場合、その商品がタイ国内で取引されているデリバティブと類似した特性や条件を備えていることが求められている。
一方、海外で取引されるDAデリバティブは、商品設計やリスク水準が多様であることから、タイSECは投資家保護を考慮した新たな条件を設ける方針だ。
改正案では、個人投資家、HNW、超富裕層投資家(UHNW)に対して海外DAデリバティブへの投資仲介サービスを提供する場合、対象商品について、原資産となるデジタル資産、契約満期、レバレッジ、受渡・決済方法などの主要な特性や条件が、タイ国内で取引されるDAデリバティブと同等であることを求める。
また対象商品は、中央清算機関(CCP)を通じて清算されるデリバティブ取引所で取引されている必要がある。
さらに、取引所を監督する規制当局が証券監督者国際機構(IOSCO)の多国間覚書(MMoU)における「Signatory A」であること、または取引所が世界取引所連盟(WFE)の会員であることなどが条件として示されている。
これらの条件を満たさない海外DAデリバティブについては、事業者によるサービス提供対象を機関投資家(II)に限定する方針だ。タイSECはその理由について、機関投資家は複雑または高リスクな金融商品のリスクを評価・管理する能力が比較的高いとしている。
今回の意見募集に関する資料は、タイSECのウェブサイトおよび「Legal Hub」で公開されている。意見は両ウェブサイトのほか、指定されたメールアドレスを通じても提出できる。
参考:発表
画像PIXTA