JPモルガンがポリマーケットとの銀行取引終了、規制懸念が背景か=報道

銀行取引終了後も一部関係を維持

米金融大手JPモルガン・チェース(JPMorgan Chase)が2025年、予測市場プラットフォーム「ポリマーケット(Polymarket)」との銀行取引関係を終了していたと、英紙「フィナンシャル・タイムズ(Financial Times:FT)」が8月14日に報じた。

FTによると、JPモルガンは2025年10月、規制上の懸念を理由にポリマーケットへ銀行取引関係の終了を通知し、新たな取引銀行を探すよう求めたとのこと。ポリマーケットは現在、別の金融機関と取引しているというが、その銀行名は明らかになっていない。

銀行取引関係が終了した当時、ポリマーケットは、未登録のイベント契約市場を運営したとして2022年に米商品先物取引委員会(CFTC)の執行措置を受けた影響で、従来のグローバル版サービスを米国ユーザーに提供できない状況にあった。

その後、ポリマーケットは、2025年7月に買収したCFTC指定契約市場(DCM)のQCX LLCなどを通じて米国市場へ再参入した。QCX LLCは現在、「ポリマーケットUS(Polymarket US)」の名称でCFTC規制下の米国向けサービスを運営している。

一方、FTは今年6月、CFTCがポリマーケットに対する新たな調査を開始し、調査が継続中だと関係者の話として報じた。なお、2025年7月には、米司法省(DOJ)とCFTCが別途進めていた従前の調査を終了したと報じられている。新たな調査の具体的な対象は明らかになっていない。

FTによると、銀行取引関係の終了後も、JPモルガンとポリマーケットの関係は完全には解消されていないという。今年2月には、JPモルガンがフロリダ州マイアミで開催した富裕層のプライベートバンク顧客向けイベントに、ポリマーケットCEOのシェイン・コプラン(Shayne Coplan)氏を招待したとのこと。また、ポリマーケットが将来的にIPO(新規株式公開)を実施する場合、JPモルガンは引受業務への関与を視野に入れ、関係を維持したい考えだとも報じられている。

JPモルガンはFTの取材に対し、コメントを控えた。一方、ポリマーケットは「複数の法人や業務上の連携、顧客資金フローの重要部分の取り扱いを通じて、JPモルガンと緊密かつ継続的な関係を維持している」と説明し、両社の関係が途絶えたとの見方を否定した。

各国で規制対応続く、評価額200億ドルで資金調達協議

予測市場は、政治や経済、スポーツなど、将来起こる出来事の結果を取引する市場だ。市場価格が参加者の予測確率を反映することから、「集合知」を可視化する仕組みとして注目される一方、多くの国では賭博との線引きを巡る議論が続いている。

FTによると、ポリマーケットと競合のカルシ(Kalshi)は、米国の十数州から無許可のスポーツベッティングを提供しているとして法的措置を受けている。一方、両社は、自ら利用者の賭けの相手方となるブックメーカーではなく、異なる立場の参加者同士をマッチングする取引所だと主張している。

また、フランスでは2026年7月にポリマーケットへのアクセス遮断が命じられ、スペインでも同年5月に一時的な遮断措置が取られた。オランダでは、賭博規制当局が運営主体のアドベンチャー・ワンQSS(Adventure One QSS)に対し、42万ユーロの履行強制金を徴収することを決定した。韓国では、国内利用者が賭博罪の疑いで警察の捜査対象となっているなど、各国で規制対応が相次いでいる。

一方、FTによると、ポリマーケットは評価額200億ドル(約3.18兆円)で、10億ドル(約1,590億円)超の資金調達を目指しているという。

また、FTが参照した暗号資産分析プラットフォーム「デューン(Dune)」上のユーザー集計データによると、2026年の予測市場における想定元本ベースの取引高は、8月時点で累計2,500億ドル(約39兆7,575億円)を超えたとのこと。なお、想定元本は契約の額面を基にした指標であり、実際の売買代金や市場への流入資金額とは一致しない。

予測市場は急速に拡大を続ける一方、規制当局や金融機関との関係構築が、今後の成長に向けた重要な課題となっている。

参考: フィナンシャルタイムズ
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

渡邉洋輔

「あたらしい経済」編集部 記者
ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。

「あたらしい経済」編集部 記者
ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。

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