メタプラネットが社債発行プログラム「BitBonds」創設、初回約2億円を少人数私募で発行

個人・事業会社にも初提供、継続的な資金調達基盤を構築へ

ビットコイン(BTC)トレジャリー戦略を進める東証スタンダード上場企業メタプラネット(Metaplanet)が、新たな社債発行プログラム「ビットボンズ(BitBonds)」の創設と、同プログラムに基づく初回社債の発行完了を8月13日に発表した。

ビットボンズは、メタプラネットが必要に応じて継続的に社債を発行するためのプログラムだ。同社は社債ごとに償還期限や利率などの条件を設定し、継続的な資金調達を行う仕組みとして運用する。

初回発行では、メタプラネットが今年7月下旬に取得勧誘を開始。総額約2億円の第21回〜第24回無担保普通社債を4シリーズに分け、金融商品取引法上の少人数私募により8月13日付で発行した。償還期間は約3年、利率は年率約4.0〜4.3%。同日時点で取得勧誘と発行を完了している。

これまで同社の普通社債は、単一の機関投資家を引受先とする私募により発行されてきた。一方、今回のビットボンズでは、個人投資家や事業会社を含む幅広い投資家層へ初めて提供したとのこと。

メタプラネットは、ビットボンズを普通株式や株式関連商品、優先株式に並ぶ中核的な資金調達手段として位置付けている。その背景として、日本が持続的なプラス金利環境へ移行したことを、円建て債券市場における構造的な転換点と捉えている。

同社によると、政府による「貯蓄から投資へ」の政策推進に加え、個人投資家と機関投資家の双方で国内資産への資金配分が拡大し、円建て利回り商品への需要が広がっているという。

また同社は、投資適格債と未上場中小企業による私募社債の間に位置する市場は十分に発展しておらず、現在より幅広い信用商品が必要になるとの考えを示している。

メタプラネット証券を販売チャネルに活用

メタプラネットは今年6月、私募社債を中心としたオンライン証券プラットフォームを運営するSiiibo(シーボ)証券の全株式取得に向けた契約締結を発表した。Siiibo証券は7月13日付でメタプラネットグループに参画し、「メタプラネット証券(Metaplanet Securities)」へ商号変更した。現在はメタプラネットの完全子会社となっている。

買収発表時には、同証券会社の第一種金融商品取引業登録や既存の投資家基盤を活用し、ビットコイン関連の利回り商品やデジタル金融商品の開発・提供を目指す方針を示していた。

今回のビットボンズでは、メタプラネットが社債を組成し、メタプラネット証券が投資家へ販売を行う。同社は、上場ビットコイン・トレジャリー企業としてのバランスシートと、メタプラネット証券の販売チャネルを初めて連携させる取り組みだと説明している。

また同社は今後も、ビットボンズをはじめとする資本市場商品について、メタプラネット証券を主要な販売チャネルとして活用する方針だ。

なお、今回発行された社債は、ビットコインを担保とする商品ではなく、メタプラネット全体の信用力を裏付けとして発行される社債だ。

同社は、普通株式がメタプラネットの保有するビットコインの価値変動を比較的直接的に反映する一方、ビットボンズは同社の信用力を前提として、所定の利息と元本償還を受けられる投資手段になると説明している。これにより、投資家が同社のビットコイン戦略へ参加する選択肢を広げる考えだ。

一方、本社債は無担保・無保証の非劣後債務で、格付けを取得しておらず、元本も保証されていない。元本や利息の支払いはメタプラネットの信用力に依存する。同社の主要資産はビットコインであることから、ビットコイン価格の変動によって財政状態や経営成績が大きな影響を受ける可能性がある。

また、本社債には譲渡制限が付されている。メタプラネット証券のプラットフォームを通じた私売出しにより売買できるものの、流動性は保証されておらず、希望する時期や条件で償還日前に売却できない可能性がある。

今後発行される社債は、取得勧誘の開始時にメタプラネット証券を通じ、同社が定める適格性および適合性の基準を満たす投資家のみに案内される。メタプラネット証券への登録や口座開設によって、社債の取得機会が保証されるわけではない。

メタプラネットは今後も、市場環境や資金需要、投資家需要などを踏まえながらビットボンズによる社債発行を継続する方針だ。中長期的には、発行規模の拡大に応じて公募社債を発行できる体制の整備も進める予定とのことだ。

参考:メタプラネット
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

渡邉洋輔

「あたらしい経済」編集部 記者
ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。

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ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。

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