豪州、暗号資産含むCGT制度を改正。50%控除を廃止

2027年7月から新制度へ移行

豪州で税制改革法が成立し、2027年7月1日からキャピタルゲイン税(CGT)制度が見直される。現行の50%CGTディスカウントをインフレ率に応じた取得原価の調整方式へ置き換えるほか、実質的なキャピタルゲインに対する最低30%の税率を導入する。この制度変更について、米経済誌「フォーブス(Forbes)」に掲載された専門家の寄稿記事が7月16日、暗号資産投資家への影響を解説した。

豪州では、投資目的で保有する暗号資産は原則としてCGT資産に該当する。そのため、暗号資産の売却や他の暗号資産との交換などにより、キャピタルゲインまたはキャピタルロスが発生する場合がある。

現行制度では、豪州居住の個人や信託などが対象資産を12カ月以上保有した場合、売却益の50%を課税対象から除外できる「CGTディスカウント」を利用できる。一方、新制度では、12カ月以上保有した対象資産について、この一律50%のディスカウントを廃止し、取得原価をインフレ率に応じて調整する「コストベース・インデクセーション(Cost Base Indexation)」へ移行する。

新制度では、インフレ率を反映した取得原価を基に課税対象となる利益を算出するため、名目上の価格上昇ではなく、実質的なキャピタルゲインに課税する仕組みとなる。また、その実質的なキャピタルゲインについて、通常の所得税額が30%相当を下回る場合は、その水準まで税負担が引き上げられる。

豪州政府は、今回の制度変更について、名目上の利益ではなく実質的な利益へ課税することで、CGT制度を本来の趣旨へ戻すと説明。また、税制による投資判断のゆがみを抑え、より中立的で公平な制度とすることも目的に挙げている。

なお、2027年7月1日より前から保有する対象資産については、制度移行日前までに生じた利益と、それ以降に生じた利益を区分する経過措置が設けられる。原則として、移行日前までに生じた利益には現行制度を、移行日以降に生じた利益には新制度を適用して税額を算出する。

フォーブスの寄稿記事は、今回の制度変更を受け、暗号資産投資家にとって取得日や取得価格などの取引記録の管理がこれまで以上に重要になると指摘。また、制度変更前後の税負担を比較したうえで、必要に応じて税務専門家へ相談するよう勧めている。

参考:オーストラリア議会法案説明資料フォーブス
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

渡邉洋輔

「あたらしい経済」編集部 記者
ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。

「あたらしい経済」編集部 記者
ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。

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