ポリゴン、ステーブルコインのプライベート送金機能を提供開始

ポリゴンPoSが機関向けプライベート決済機能を提供開始

独立したコンセンサスを持つサイドチェーン「ポリゴンPoS(Polygon PoS)」上で利用できるプライベート送金機能の提供が開始された。ポリゴンラボ(Polygon Labs)の公式ブログより5月4日に発表された。

発表によると同機能では、ポリゴンPoS上でのステーブルコイン送金時に、送信者、受信者、送金額をオンチェーン上で公開せずに取引を実行できるという。対応資産は「USDC」および「USDT」とのこと。

また同機能は、プライバシープロトコル「ヒンカル(Hinkal)」開発元との協業により、「ポリゴンウォレット(Polygon Wallet)」内で提供される。ポリゴンウォレットは、ポリゴン公式サイト上で提供されるポリゴン向けの資産管理・送金インターフェースだ。

ポリゴンは、オンチェーン決済には低コスト、高速決済、24時間365日の稼働といった利点がある一方、事業活用においては障壁も存在するとの認識を示した。

従来のパブリックブロックチェーンでは、送信者、受信者、送金額などの情報が公開されることが、企業によるステーブルコイン活用の障壁になっていたとのこと。特に、ポリゴンは企業間の財務送金やベンダーへの支払い、給与などで、取引情報の公開が競争上または業務上のリスクにつながるとしている。

またポリゴンは、従来の銀行送金では送金情報が一般公開されないとしている。一方、パブリックブロックチェーンでは取引内容が公開される点が、機関利用における大きな違いだったとの認識を示している。

今回の機能追加については、オンチェーン決済の特徴を維持しながら、従来金融で求められる機密性を提供することを目的としていると説明している。

ポリゴンは、取引内容を公開せずに送金を検証する仕組みとして、ゼロ知識証明(Zero-Knowledge Proof:ZKP)を利用していると説明している。送金は通常のオンチェーン送金ではなく、ヒンカルの「シールドプール(shielded pool)」を経由して処理される仕組みだ。外部の観測者は、有効な取引が行われたことを確認できる一方、送信者、受信者、送金額は確認できないという。

また、すべてのプライベート取引は、実行前にチェイナリシス(Chainalysis)のKYT(Know Your Transaction)スクリーニングを通過する。ヒンカルは、この仕組みについて「市場に対するプライバシー」であり、「規制当局に対する不透明性ではない」と説明している。

ヒンカルは、同プロトコルについて非カストディ型だとしている。送金中にヒンカルや第三者が資産を保有することはないという。

なおポリゴンは、今回の機能について、ウォレットレイヤーで提供する最初のユーザー向けプライバシー機能と位置付けている。同社は今後、オープン・マネー・スタック(Open Money Stack)戦略全体で、さらなるプライバシー関連機能を展開する予定だとしている。

 

参考:ポリゴンヒンカル
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

渡邉洋輔

「あたらしい経済」編集部 記者
ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。

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ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。

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