イーサリアム財団、トマシュ・スタンチャク共同エグゼクティブディレクターが退任へ

組織改革を進めたスタンチャク氏が退任

イーサリアム(Ethereum)の非営利組織であるイーサリアム財団(Ethereum Foundation)の共同エグゼクティブディレクターを務めるトマシュ・スタンチャク(Tomasz Stańczak)氏が、2月末をもって同職を退任すると2月13日に発表した。

スタンチャク氏は公式ブログで、後任としてバスティアン・アウエ(Bastian Aue)氏が、引き続き共同エグゼクティブディレクターを務めるシャオウェイ・ワン(Hsiao-Wei Wang)氏とともに同職を担うと明らかにした。アウエ氏は、イーサリアム財団において政策支援や組織運営を担当してきた人物として知られる。

スタンチャク氏は、イーサリアム、財団、ビルダー、そして自身にとって「将来は明るい」と述べ、エコシステムと組織が健全な状態にあるとの認識を示している。

スタンチャク氏は、イーサリアムの主要クライアント実装企業ネザーマインド(Nethermind)の創業者として知られ、2025年4月にイーサリアム財団の組織体制再編に伴い共同エグゼクティブディレクターに就任した。当時の財団は、意思決定や透明性を巡るコミュニティからの批判を背景に、経営体制の見直しを進めていた。

就任後は、意思決定の迅速化、財務・報酬方針の整備、地域コミュニティやローカルハブの強化、創業者や機関投資家との関係構築など、財団運営面の改革を進めてきたとしている。

スタンチャク氏はブログの中で、金融インフラのオンチェーン化や自律的に動作するAIエージェントの普及を背景に、イーサリアムが検証と決済の基盤として位置付けられつつあるとの見方を示した。

また、ステーブルコインやリアルワールドアセット(RWA)分野での利用拡大に触れ、イーサリアムが機関投資家から「最もリスクの低いチェーン」として認識されている点を挙げている。

イーサリアム財団としては、2026年以降に向けて、プロトコル開発ロードマップとコア開発方針を統合した新たな指針の提示や、量子耐性を含むセキュリティ戦略、分散型AIに関する取り組みを進める方針だという。

この1年、財団内で大きな論点となっていたのが、メインネットとレイヤー2(L2)の関係性だ。スタンチャク氏は、財団内にプラットフォームチームを設置し、20以上のイーサリアムL2プロジェクトとともに、スケーリングや相互運用性、差別化について議論を進めてきたと説明している。

主要なロールアップが、取引量やステーブルコイン利用において他のブロックチェーンを上回る動きを見せている点にも言及し、この傾向は今後も続くとの見通しを示した。

スタンチャク氏は、退任後もイーサリアムエコシステムから完全に離れるわけではなく、AIエージェントやガバナンス分野を中心に、プロダクト開発や創業者支援に関与していく意向を示している。

イーサリアム財団は、今回の人事を組織の後退ではなく、一定の役割を終えた上でのバトンタッチと位置付けており、新体制の下で開発と調整を継続していく方針だ。

 

参考:イーサリアム財団
画像:PIXTA

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あたらしい経済 編集部

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