日本スタートアップ向け「JFIIP」開始
Asia Web3 Alliance Japan(AWAJ)とWeb3 Salonが、日本のスタートアップを支援する新たな金融プログラム「Japan Financial Infrastructure Innovation Program(JFIIP)」を正式に開始したと12月24日に発表した。
JFIIPは、みずほ銀行、SMBC日興証券、Securitize Japan、HIRAC FUND(マネーフォワードベンチャーパートナーズ)などがパートナーとして参画する。これらの企業は、「ステーブルコインと決済」、「現実資産(RWA)のトークン化」、「クレジット・インフラ」という3つの重点領域におけるイノベーション推進を支援する予定だ。
JFIIPは、リップルラボ(Ripple Labs)が主導するパブリックブロックチェーン「XRP Ledger(XRPL)」上で、規制に準拠した次世代デジタル金融ソリューションを開発する日本のスタートアップを支援することを目的としている。技術支援、資金提供、事業開発支援を通じて、国内スタートアップの事業拡大と商用化を後押しする。
発表によれば日本は、暗号資産・ブロックチェーン分野において比較的明確な規制環境を整備してきた国の一つと位置付けられ、JFIIPは、こうした環境を背景に、開発者(ビルダー)に対して包括的な支援を提供し、日本のスタートアップエコシステムのさらなる活性化を図る取り組みだ。また同プログラムは、リップルが掲げる「世界で10億XRPを投じてXRPLエコシステムを拡大する」というグローバル戦略とも連動している。
リップルX(RippleX)でデベロッパーグロースを担当するシニアディレクターのクリスティーナ・チャン(Christina Chan)氏は、「日本は先進的な規制環境と厚みのある人材基盤を持ち、ブロックチェーン・イノベーションにおいて大きな可能性を秘めている。本プログラムは、スタートアップが『XRP Ledger』の高速性、低コスト、信頼性を駆使して実社会での利便性を生み出し、金融インフラを刷新していけるような力強いエコシステムを育て上げるという、Ripple社の決意を象徴している」とコメントしている。
JFIIPに選ばれた参加者は、多段階のアクセラレーションプロセスを通じて、パートナー企業からのメンタリング、規制・戦略面のコンサルティング、技術指導が受けられる。加えて、最大1万ドル(約155万円)の助成金が提供されるほか、Rippleのグローバル助成金プログラムやWeb3 Salonのスケールアップ支援への優先的な検討機会も用意されている。
また、プログラムの集大成として、2026年2月には日本貿易振興機構(JETRO)主催によるデモデイの開催が予定されており、参加スタートアップは政策立案者や投資家、業界関係者の前でプロジェクトを発表する機会を得る。
なお、JFIIPへの応募期間は2025年12月19日から2026年1月18日までとなっている。
JFIIPは、Rippleがアジア太平洋地域で展開する「XRPL Japan and Korea Fund」を補完する取り組みと位置付けられている。
「XRPL Japan and Korea Fund」は日本と韓国の市場におけるXRP Ledger(XRPL)のイノベーションを支援するための、市場特化型ファンドだ。
日本および韓国のXRPLコミュニティの成長や企業パートナーシップ、開発者向け助成金、スタートアップ投資などの取り組みをサポートする。具体的には、企業とのパートナーシップでは、日本や韓国の有力企業と提携し、XRPLの利用を促進するとともに、多様な産業におけるエンタープライズユースケースの探求・実現を目指している。
また開発者への資金提供では、XRPL上で開発される有望なプロジェクトに、技術的・ビジネス面からの支援を行うとともに資金提供を行う。
スタートアップ企業への投資では、XRPLを活用し、新しくエキサイティングなユースケースを開発するスタートアップ企業に対して投資を行うとのこと。
そしてコミュニティサポートでは、地域のXRPLコミュニティの活動を促進するために、日本・韓国におけるイベント、ハッカソンや教育プログラムをサポートしている。
参考:発表
画像:iStock/LuckyStep48