ポリマーケット、NYSE親会社から20億ドルの出資獲得

ポリマーケットが20億ドルの出資を得る

ニューヨーク証券取引所(NYSE)の親会社である米インターコンチネンタル取引所(Intercontinental Exchange:ICE)が、予測市場プラットフォーム「ポリマーケット(Polymarket)」への戦略的出資を10月7日に発表した。

ポリマーケットは、ブロックチェーンを用いたオンチェーン型として世界最大の予測市場プラットフォームだ。政治・経済・スポーツ・エンタメなど多様なテーマを対象に未来の出来事について、結果確率を示唆する価格のYes/Noシェアを売買できる仕組みを提供している。ユーザーは各イベントの結果を予測し、的中すれば報酬が得られる。2025年時点で同プラットフォーム上では約187億ドル規模の取引が行われているという(DeFiLlama調べ)。

ICEの発表によると、ポリマーケットへの出資総額は最大20億ドル(約3,040億円)。なお出資前のポリマーケットの企業評価額は約80億ドル(約1兆2,160億円)とされている。

ポリマーケットCEOであるシェイン・コプラン(Shayne Coplan)氏のXでの投稿によると、今回の出資によってポリマーケットの投資後評価額は約90億ドル(約1兆3,680億円)に達するという。

ICEは今回の出資契約により、ポリマーケットのイベントデータを世界の機関投資家に配信する「グローバルディストリビューター」としての役割を担うという。両社は今後トークン化関連の新たな事業領域でも協業していく方針を示している。

なおICEによると、今回の出資は現金で行われる予定で2025年の同社の業績や資本還元計画に大きな影響は与えない見込みだとしている。詳細については10月30日に予定されている同社の第3四半期決算説明会で説明される予定だ。

ポリマーケットは2022年、米CFTC(商品先物取引委員会)より「未登録のデリバティブ取引プラットフォーム」として、罰金140万ドルを課された他、米国からのアクセスが遮断されていた。しかし今年9月には、CFTCがポリマーケットに対してノーアクションレターを発行したことにより、同プラットフォームの米国での運営については当面の執行措置の対象外になった。

またポリマーケット運営会社は、QCXとQCクリアリングの持株会社の買収を7月に発表。CFTC認可のデリバティブ取引所を買収することで、ポリマーケットは米国市場へ再参入するとしていた。

参考:ICE
画像:iStocks/BadBrother

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